フォ〇ストで2016年4月からアップしておりました大宮さんの恋物語の過去作です。
全編サトシ語りです。
毎日20時更新予定です。
楽しんでいただけたら・・・どぞ・・・♡
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「ごめん・・・でも・・・触りたくて・・・。」
「いい・・・けど///。」
照れるカズが。
かわいくてしかたない。
それから。
耳に触れていた手を・・・滑らせ。
カズの肩をもう一度抱き寄せた。
まるで。
横から囲うように抱き寄せ。
そして・・・カズの膝の上で。
手と手を重ねる。
眠るカズには何度も触れていたけど。
多分・・・目覚めたカズの手に。
こうして触れるのは初めてだ。
触れたくて。
触れたくて・・・たまらなかったカズの手・・・指。
いや・・・まだまだ。
触れたいところは・・・たくさんある。
俺を愛している・・・と言ってくれたカズ。
もう。
なんの歯止めも聞かなくなる。
ずっとずっと。
2年もの間・・・ただただカズの事だけを思っていたんだ。
・・・。
・・・。
2年。
・・・。
・・・。
カズは。
本当はもう何百年も生きている。
今・・・改めて思う。
巡り会えた奇跡を。
「L博士がいなかったら・・・。」
「・・・おじいちゃん?」
「そう・・・博士がいなかったら・・・俺達は出会えなかった。」
「・・・。」
「だろ?」
「・・・うん・・・。」
「・・・。」
「おじいちゃんは・・・僕のたった一人の身内だった。」
「・・・。」
「両親は早くに死んでしまっていたから。」
「・・・。」
「おじいちゃんだけが僕の家族で・・・。」
「・・・。」
「研究所が僕の家だった。」
「・・・。」
「今は・・・おじいちゃんがいなくて・・・寂しいけど。」
「・・・。」
「でも・・・眠っていたおかげで・・・あなたに逢えた。」
「・・・ん。」
これもまた。
L博士の巡り合わせなのか。
目覚めたカズのそばにいる事を。
L博士に許されたような気になる。
今この時代に。
カズ病気の薬が完成したのも。
カズと俺が出会うための・・・必然のような気がする。
いや・・・きっとそうだ。
そう・・・思おう。
「素敵なおじいちゃんだな。」
「・・フフ・・・そう思う?」
「思うよ。」
「・・・僕も・・・そう・・・思う。」
「・・・。」
「ねえ・・・おじいちゃんは・・・どうやって亡くなったの?」
「・・・。」
「病気?」
「・・・いや・・・知らない。」
そう言えば。
L博士の最期・・・を俺は知らない。
普通に。
寿命がきて・・・病気か老衰でなくなったんだろう・・・と思っていたけど。
「ショウに聞いてみようか。」
「ショウさん?」
「ん・・・L財団のトップの医者だから・・・何か知っているかも・・・聞く?」
「・・・うん・・・知りたい。」
「じゃあ行こう。」
「うん・・・行く。」
立ち上がり扉へと進む。
でも。
「カズ。」
「ん?」
扉の手前で二の腕を引っ張った。
反動でカズが俺に向き直り。
そして見つめ合う。
俺は・・・そのまま。
壁にドン・・・と手をついてカズを囲う。
「キスくらい・・・いい?」
「なんか・・・。」
「・・・ん?」
「キャプテンのイメージが・・・僕の中で変わっていく///。」
「ダメ?」
「ダメ・・・じゃない///。」
照れてうつむくカズの。
その・・・顎に手をそえ。
くいっとあげて。
そして。
触れたくてたまらなかったその・・・柔らかそうな唇に。
俺は。
くちゅっと・・・吸いついた。
・・・ん・・・
・・・ん・・・っちゅ・・・
・・・ん///んぅ///・・・・
柔らかくて・・・熱い。
っていうか・・・柔らかすぎる。
本当は・・・もう少し。
触れていたかったんだけど。
そうなると・・・俺が。
どうにかなりそうだったから。
この辺でやめる。
最後に一度だけ・・・くちゅっと吸いついて離れる。
見つめると。
真っ赤な顔した・・・カズが。
俺を見ていった。
「すごいね・・・キャプテン///。」
「・・・ん?」
「壁ドンとNHKと顎クイの合わせ技なんて///。」
「・・・。」
「あとスクールラブがあったら完璧だよ///。」
「・・・なにそれ。」
「ぁ・・・ウウン///何でもない///。」
「何そのカベドンとか・・・NH・・・なに・・・?」
「いいの・・・僕の時代だけの言葉みたいだから・・・。」
「・・・教えて?」
「ううん///知らなくていい・・・。」
「なんで・・・。」
「今は使ってないんでしょ?だからいい///。」
照れまくるカズ。
あとで調べてみよう。
カベドン・・・?
NH・・・なんとか・・・?
アゴクイ・・・?
なんとか・・・ラブ・・・?
昔の人はずいぶん不思議な言葉を使っていたんだな。
俺は照れるカズを横目で見ながら。
そんな事を思っていた。
つづく