Asterisk 17 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

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フォ〇ストで2016年4月からアップしておりました大宮さんの恋物語の過去作です。

 

全編サトシ語りです。

 

毎日20時更新予定です。

 

楽しんでいただけたら・・・どぞ・・・♡

 

 

 

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「無事に戻ってきてくれて・・・。」

「・・・。」

「ホントによかった。」


胸に顔をうずめ。

甘えるようにすり寄るカズ。

鼓動が。

自分でもわかるくらいに・・・ドキドキ言っている。

これは。

・・・やばい。

その・・・これは。

そういう事で・・・いいんだよな。

このカズの仕草と・・・さっきの言葉は。

まっすぐにとらえていいんだよな。

見下ろすと。

ちょっとくしゃっとなったカズの黒髪が。

艶やかに光っている。

いつも見ていたカズの黒髪が。

俺の胸の中にある不思議。

いや・・・不思議なんだけど・・・でも。

紛れもない現実だ。

うん。

これは・・・嬉しい。

そうかも・・・と思ってはいたけど。

こんなにもはっきりと。

気持ちを伝えてくれるなんて。

嬉しくて・・・たまらない。

そっと・・・抱き寄せて。

きゅっと力をいれる。

同じように力をいれ・・・俺にしがみつくカズに。

愛おしさが増す。















俺の腕の中で。

俺にしがみついて下を向いたままのカズが。

ポツポツと話始めた。


「最初は・・・声・・・だったの。」

「・・・。」

「灰色の煙の中・・・。」

「・・・。」

「息が苦しくて・・・咳こんだ僕を・・・。」

「・・・。」

「呼ぶ声。」

「・・・。」


まさか。

あの1年以上前の・・・あの火事の時の事を。

言っているのか・・・?


「僕を心配そうに見つめるあなたを見て・・・。」

「・・・。」

「この人なら大丈夫・・・って・・・。」

「・・・。」

「あの時・・・朦朧としながらも・・・思った。」

「・・・。」


すっと体を動かし。

起き上がるカズ。

俺を・・・見つめ。

そして言葉を続けた。


「それからずっと・・・。」

「・・・。」

「夢を見続けていたみたい。」

「・・・。」

「あなたの夢を・・・ずっと・・・。」

「・・・。」


ずっと・・・って。

1年以上も・・・?

眠っている間。

ずっと。

俺の夢を見ていたの・・・?


「ここ・・・宇宙船で目覚めた時は・・・。」

「・・・。」

「何が起きているのかわからなくて・・・。」

「・・・。」

「ただただ・・・怖くて。」

「・・・・。」

「震えてたけど・・・。」


あの時の。

医務室でのカズを思い出す。

部屋の隅で震えていたカズ。


「でも・・・声が・・・。」

「・・・。」

「あなたの・・・聞き覚えのある声が聞こえて・・・。」

「・・・。」

「大丈夫だから・・って・・・助けるから・・・って・・・。」

「・・・。」

「ああ・・・あの人だ・・・って・・・そう思って。」

「・・・。」

「僕は・・・。」

「・・・。」

「安心したの。」


そんな事。

思い出してくれていたんだ。


「この・・・腕に。」

「・・・。」

「・・・つかまってさえいれば・・・。」

「・・・。」

「僕は・・・大丈夫なんだって・・・。」

「・・・。」


そう言いながら。

俺の腕にスリスリと触れるカズ。

まるで・・・歌うようなその声に。

夢を見ているようなその表情に。

くぎ付けになる。















「どうして・・・。」

「・・・ぇ・・・?」

「告白した俺から逃げたの?」

「・・・。」


下から覗き込むようにして。

言った。

責めてる訳じゃないけど・・・でも。

それなりに俺・・・へこんだから。


「あれは・・・。」

「・・・。」

「びっくりしちゃって///。」

「・・・。」

「その時はまだ・・・そういう・・・恋とか・・・そういうの///。」

「・・・。」

「わかってなくて///。」

「・・・。」

「だから///その・・・あんな事言われて・・・。」

「・・。」

「びっくりしたって言うか・・・その///。」

「・・・。」


ぎゅっと。

カズの肩を抱き寄せ。

頭同士をコツン・・・とくっつける。

窓ガラスに映る俺達。

ぴったりとくっついて。

まるで。

一つの塊になって。

二人・・・宇宙に漂っているようだ。



「じゃあいつ気づいた?俺を・・・そういう意味で好きだって。」

「・・・。」

「・・・ん?」

「なんか・・・キャプテン・・・。」

「・・・ん?」

「そんな強引な感じだったっけ///?」

「・・・ダメ?」

「別に・・・いいけど///。」


照れているのか。

軽く・・・俺から離れようと体に力を入れたのがわかった。

わかった・・・けど。

そんな簡単に離さないよ。

どれだけ。

 

俺がこうしたかったか。


「やっぱりあの・・・ジュン君を助けに行く時に・・・。」

「うん。」

「キャプテンを・・・失うかもって思ったら・・・。」

「・・・。」

「すごく怖くなって・・・。」

「・・・。」

「それで・・・。」

「・・・。」

「だから・・・。」

「・・・。」

「ね・・・ぇ///。」

「ん?」

「くすぐったい///。」


俺は。

ずっと。

カズのその・・・黒髪をなでていた。

そのまま・・・耳に触れ。

その柔らかい耳たぶを触っていたようで。

カズから軽いクレームが来た。





つづく