大宮さんの恋物語です。
毎日20時更新予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
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Side.O
「大騒ぎにならなくてよかったね。おーのさん♪」
「ん。」
「いい子たちだった。」
「固まってたね。俺とニノ見て。」
「デート中だったから。遠慮してくれたのかもね。」
「・・・ん・・・///。」
「溶けちゃうから。早く帰ろ?」
「・・・ん。」
心配が杞憂に終わって・・・ほっとした。
彼女たちを見つけた時は。
ちょっと緊張したけど。
理解のある人たちでよかった・・・と思う。
それにしても。
デート中なんて・・・。
さらには・・・ベルクをよろしくね・・・と。
あの場ではっきりと彼女たちに言えたニノを。
ホントすごいな・・・と。
尊敬する///。
「ん?なぁに?」
「いや。何でもない・・・///。」
じっと見つめていたらしい///。
俺は・・・何でもない・・・とそう言うと。
軽く駆け足でホテルへ入った。
もう遅い時間なんだけど。
ロビーにはまだ人がいて。
中には・・・ベルクのツアーバックを持っている人もいた。
俺とニノは。
軽く目を合わせ。
でも・・・急いでロビーを抜けると。
エレベーターに乗りこんだ。
「見つからなかったね///。」
「ちょっとあせった///。」
笑いあう。
エレベーターの中で二人。
クスクスと笑いあう。
なんか。
楽しい。
コンビニに行って・・・アイスを買っただけなのに。
少しの刺激と緊張があったけど。
終わってみれば・・・ただただ楽しいだけで。
いやちょっと・・・スリル・・・のような。
適度なドキドキもあったけど。
まあ・・・無事だったからこんな風に笑いあえるんだけど。
部屋へ戻っても。
ニノはよほど楽しかったみたいで。
おーのさんちょっとあせった顔してたよ・・・なんて笑いながら。
二人並んで・・・ソファに座ってアイスを食べている。
さらにニノは。
まさか大阪で。
2人でコンビニ行くとは思わなかった・・・と言い。
まあ言い出しっぺは僕だけどね・・・なんて言いながらまた笑う。
クックッ・・・と。
体を揺らして笑うニノ。
なぜかぴったりくっついているから。
ニノの揺れがダイレクトに感じられ。
俺も・・・かすかに揺れる。
ああ・・・もう。
なんかわかった気がする。
この・・・心の底から湧き上がるウキウキした感情。
そう。
ニノと一緒ならきっと。
なんだって楽しいんだ。
一緒にいるのがニノだから。
こんなに俺は。
楽しいんだ。
・・・。
・・・。
ねぇニノ。
2人一緒なら・・・さ。
いつまでもきっと。
こんな風に・・・楽しくいられると思うんだ。
ニノ。
俺は。
俺は・・・さ。
「ニノ。」
「・・・ん?」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・アイス。交換しないの?」
「ぁ・・・する///。」
何か。
言おうとして・・・やめた。
今のこの状況は。
俺にとっては考えられないくらいの幸せな状況で。
だから・・・これを。
壊してはいけない。
映画のための・・・二人の生活で。
そのおかげで今があるってこと。
忘れてはいけない。
疑似恋愛も。
ちょっと今・・・忘れていたけど。
ニノとそう約束をしたんだし。
・・・。
・・・。
撮影も折り返しを過ぎた。
ニノとのこんな時間も・・・いずれ終わりがやってくる。
やめよう。
楽しい気分が台無しになる。
今を。
ニノと今を・・・楽しみたい。
俺にとっては奇跡みたいな瞬間なんだから。
俺は。
交換したアイスを・・・食べ始めた。
ニノチョイスの二つ。
今後きっと。
俺は・・・このアイスを見るたびに。
今日のことを思い出すんだろう。
隣で「おいしいね。」と言って笑うニノを。
ニノの笑顔を。
思い出すんだろうな・・・と。
そんなこと思いながら。
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つづく