大宮さんの恋物語です。
毎日20時更新予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
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Side.O
ホテルの駐車場について。
マネージャーに・・・おつかれさま・・・と言うと。
同じ階に部屋のある翔君と二人・・・専用のエレベーターに乗りこんだ。
翔君は・・・打ち上げでも帰りのワゴン車の中でもよくしゃべっていて。
その時のボリュームのままに・・・狭いエレベーターの中で話すから。
声が・・・響く・・・///。
「いやぁ!あと明日一日だね!」
「///そうだね。」
「智君!明日もよろしくね!」
「ん。ケガなくね。」
「あなたのそれ。」
「・・・ん?」
「ケガなく・・・ってやつ。」
「・・・。」
「今の歳になるとさ。まあ・・・ひしひしと感じるよね。」
「・・・ん。」
「若い頃とは違うからさ。ホント気を付けないと。」
「・・・翔君今日。階段踏み外してたでしょ。」
「ぁ///ばれた///?暗かったから。もう一段あるってわかんなかった///。」
「気を付けてよ明日とか。最後なんだから。」
「・・・ん。ラストちゃんと終わらせたいしね。」
「・・・ん。」
「兄さんの言うことは絶対だから///ちゃんと気を付けるよ。」
「なにそれ///。」
「フフ・・・///。」
エレベーターの扉が開き。
翔君が俺に先に出るように促す。
翔君は・・・いつもそう。
こうして・・・年上の俺をちゃんと敬ってくれる。
そんな感じが。
ホント・・・一緒にいて居心地がいい。
長い廊下を進みながら翔君が・・・ポケットからカードキーを取り出す。
俺もつられて出そうとして。
ニノに渡したんだった・・・と思い出す。
「ぁ・・・そうそう。ニノ。いるんでしょ?部屋に。」
「・・・ぇ・・・///ぁ・・・ぅん・・・。」
「さっきカードキー渡したの見ちゃったから。」
「・・・そっか。」
「仲いいよね・・ホント。」
「・・・ん。」
「これからまた飲み直すんでしょ?」
「・・・ぅ・・・ん・・・。」
そういう訳じゃないんだけど。
だって眠かったら寝てていいって・・・そう言ったし。
ただ。
一緒にいたかっただけ。
起きてなくてもいいんだ。
例え寝顔でも。
見られればそれでいい。
「わざわざ大阪までさ・・・ニノが来てくれたんだしね。」
「・・・ん。」
「めずらしいよねホント。初めてじゃない?ニノがライブ見に来るなんて。」
「そう・・・だね。見に来ないで有名だったから。」
「そのニノを大阪まで動かしたんだから。やっぱりあなたすごい人だよね。」
「・・・。」
ニノは。
自分から・・・見たいと言ってくれた。
それも・・・大阪まで来てくれて。
改めてそれは驚くことだし。
そして・・・嬉しく思う。
ライブ中・・・MCの途中で。
あの・・・スクリーンに映し出されたニノを思い出す。
突然のことだっただろうに・・・一瞬でプロの顔つきになった。
でも・・・俺はその直前の。
モジモジ・・・とマイクをいじるニノが・・・ニノらしくて愛おしくて。
ホントマジで。
ステージから駆け下りて抱きしめたくなったほどだった。
さらには。
トロッコから見下ろしたニノ。
暗くてあまりよく見えなかったのに。
ニノが居る場所は・・・すぐにわかった。
トロッコが過ぎていく一瞬で。
ひゅっと・・・指をさしたのは。
あれは・・・ホント一瞬だったんだけど。
わかってるよ・・・と。
ニノがそこにいること知ってるから・・・と。
それをただ伝えたかっただけ。
そして・・・ちょっとだけ。
かっこつけたかっただけ///。
あのライブのステージの上は。
俺も魔法がかかったみたいに・・・ちょっとだけ自分をかっこいいと思える場所だから。
だから・・・きっと・・・あの雰囲気に酔ったまま・・・ニノを指さしたんだと思う。
調子に乗ったって言うか・・・ご機嫌だったって言うか・・・そんな感じ///。
それほどの力が・・・ライブにはあるんだよね///。
つづく