僕らの日々 57 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

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大宮さんの恋物語です。

 

毎日20時更新予定です。

 

ではでは・・・どぞ・・・。

 

 

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Side.N




セリフをかぶせた方がいいと判断してわざとやったことはある。

それだって。

ちゃんと相手のセリフは全部聞こえる前提で。

うまくやったつもり。

でも今回は違う。

抑えきれずに言葉が出てしまった。

無意識。

はぁ・・・と。

下を向いたまま大きく息を吐くと。

す・・・っと伸びてきた手・・・が。

僕の頬をなでた。




「大丈夫・・・?」

「・・・ぅん・・・。」

「セリフ。だからさっきのは。」

「・・・ん。」



おーのさんの優しい指。

あたたかい・・・。

 

何が原因で元気がないのか・・・がおーのさんにバレてること。

 

もう驚きもしない。

 

だってそれくらい一緒にいるから。

 

そばにいるから。


でも。

わかってるよ・・・と笑うこともできず。

知ってるし・・・と毒づくこともできず。

ん・・・とうなづくしかできないのが。

自分でも歯がゆくて。

あの・・・おーのさんのセリフが。

めちゃくちゃ自分を落ち込ませていることに驚く。


















そっと見上げると。

おーのさんの心配そうな瞳。

でも力強くてきりっとした目。

・・・そう。

さっきのはただのセリフ。

セリフなんだ・・・って。

おーのさんの顔見たら。

そう思えて。

素直に言葉が出た。



「なんか・・・予想以上にダメージなんですけど・・・あのセリフ。」

「俺も。なんか後味悪いよ・・・。」

「言いたくないセリフだもんね。」

「そうだよ・・・ひどい男だよこれ。」

「ここ。ちゃんと演じないと。おーのさん悪者になっちゃう。僕がかわいそう過ぎて。」

「そうだよな・・・もう少し必死の方がいいかな。」

「別に軽く感じなかったけど・・・。」

「そう?」



客観的に話ができて。

少しずつ自分に戻って行く感覚。

ついさっきのショックは・・・少し薄れた気がして。

おーのさんに・・・ちょっと感謝する。


















でもあいにく・・・その後。

監督のOKは出なくて。

やっぱりちょっと僕がセリフをかぶせちゃったところと。

あとは・・・おーのさんに対して。

もう少し悪びれず言って欲しい・・・というリクエストが出て。

結局・・・2回の撮り直しがあって。

そのたびにダメージをくらう僕がいた。

その後。

僕の代わりに恋人を演じてもらう何でも屋を雇う・・・というところまでの会話を撮影し。

今日の撮影は終了となった。




















家に帰り。

交代でシャワーを浴びる。

シャワーを浴びているあいだも。

さっきのおーのさんが頭から離れなくてグルグルする。

台本で見た時はそうでもなかったのに。

おーのさんの声で・・・あの表情で言われたら。

本気で軽く傷ついた。

役には引きずられないはずなのに・・・。

はぁ・・・と一つため息をついて。

僕は・・・シャワーを出た。
















夕飯は・・・ウー○ーイーツでも頼もうと思ったんだけど。

冷蔵庫にあるもので食べようってことになって。

二人でキッチンへ並んだ。

なんとなくの胃もたれ。

体が少し疲れている感覚。

今日の撮影で・・・ちょっと体に力が入ったからかな・・・なんて思って。

小さく。

ホントに・・・小さく深呼吸をしたら。



「いいよ。座ってて。」

「・・・え・・・。」

「俺一人でできるから。」

「大丈夫よ。僕もやるし。」

「ちょっと辛そうだよ?」

「・・・。」

「いいから。座ってて。ね。」

「・・・ありがと。」



あまりにも優しく言うから。

ソファへと座った。

撮影内容のわりには。

やっぱり体が疲れてる。

確かに重いシーンだったけど。

・・・。

・・・。

テレビ・・・つけようとして。

でも作ってくれているおーのさんに悪いから・・・とやっぱりやめて。

ふっと・・・息を吐いただけだと思ったのに。

気づけば僕は。

寝てしまっていた。




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つづく