僕らの日々 55 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

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大宮さんの恋物語です。

 

毎日20時更新予定です。

 

ではでは・・・どぞ・・・。

 

 

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Side.N

 



次の日は。

二人のシーンを撮影。

二人で居酒屋で飲んでいるシーンだ。

あの・・・教会のチラシを僕がおーのさんに見せようとするシーン。

と同時におーのさんは。

僕におばあちゃんのことを打ち明けるシーンだ。

タイミングが大事。

そして・・・表情。

特に僕の・・・心の動きを。

表情と仕草で見せなくちゃいけないシーン。

ちゃんと切ない場面になるようにしなくちゃいけない。

なぜなら。

僕は・・・おーのさんに。

おばあちゃんに紹介するために。

女装してほしい・・・と言われるんだから。

ありのままの僕を受け入れてもらえない悲しさ・・・を。

表現しなくちゃいけないんだから。




















シーンが始まる。

まずは・・・運ばれてくる生ビール。

その取っ手を。

左利きの僕にあわせるように・・くるり・・・とおーのさんが向きを変えてくれるシーンを撮影。

幸せそうに笑う僕。

おーのさんは向きを変えたことにすら気づかず。

メニューを見ている・・・という演技。

次に来るシーンとの対比の為に。

ここはめちゃくちゃ嬉しそうな笑顔をする僕。

なんなくOKが出て。

次のシーンにうつる。


















  ケッホ



軽く咳が出て。

おーのさんがすぐに心配そうな顔で僕を見る。

僕は・・・大丈夫よ・・・と小さく言って。

そばにあった水を飲んだ。

撮影準備は続いている。

テーブルの上にはお料理が運ばれ・・・空のジョッキが置かれ。

手元のジョッキもビールが半分くらいまで減らされたものに変えられる。

時の経過。

ここからが・・・今日のハイライト。

僕は・・・静かに深呼吸をした。

軽くリハをして・・・って言うかカメラの位置を確認。

その間に。

おーのさんが。

ぼそっと僕に言った。


















「なんか。あんま言いたくないセリフなんだよね。」

「・・・なにが?」

「女装してくれって・・・言うセリフ。」

「・・・なんで?」

「だってさ。これ。すっげぇ傷つけるじゃん。相手のコト。」

「・・・まあね。」

「だから・・・あんま言いたくない。」

「相談してみる?監督に。」

「いやいい。必要なセリフだってわかってるから。」

「・・・他に言い方ないしね。これ。胆になるセリフだから。」

「・・・そうなんだよなぁ。」

「フフ・・・ほんとイヤそう///。」

「・・・演技とはいえ。ニノのショック受ける顔とか。あんま見たくないし。」

「・・・あら。そんなこと言ってくれるのね。」

「当然だろ。」

「恋人同士だもんね。」



早口で。

小声で。

おーのさんに近づいて言う・・・と。

おーのさんが。

鼻の穴を膨らませ。

ちょっとドヤ顔で。

おぅ・・・と小さく言った///。

その顔が。

なんか・・・僕の心にコツンとヒットして。

ほわほわと・・・温かい感情に包まれた。

時々・・・こんな風な気持になる。

おーのさんに愛されて。

ぁ・・・疑似だけど。

でも・・・本当に愛されているように感じることがあって。

昨夜も。

テレビ見ながら一瞬寝落ちした僕を。

くいっと・・・引っ張りその肩に寄りかからせてくれたし。

ケホケホって・・・ちょっとせき込んだら。

すぐに立って水を持ってくれたし。

ホント・・・優しい人。

















あれ・・・?

そう言えば僕昨夜も咳込んでた・・・。

風邪・・・ひいた・・・?

遡る記憶。

どこかで・・・何かあったっけ。

昨日。

大勢の中で会議したことしか・・・覚えがないけど。

そう言えばだれか・・・咳していたような。

いやでも・・・マスクしてたし。

すっと。

自分の首筋に触れる。

なんとなく・・・いつもより熱い気がするけど。

気のせい・・・?



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つづく