大宮さんの恋物語です。
毎日20時更新予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
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Side.N
けど。
おーのさんとのちゅうは。
それらとは全然違って。
きっともっと・・・ガッツリ見せるようなちゅうで。
二人としたちゅうよりも・・・絶対にロマンチックなちゅうになるのもわかっていて。
でもそこに。
互いの意思は1ミリも関わってなくて。
だって映画の撮影なんだから。
ただただ台本通りにするだけ。
まあ・・・当然と言えば当然だけど。
でも・・・ホント。
今回の映画・・・相手がおーのさんでよかった。
仕事だから・・・相手が誰でもやるつもりではいるけど。
嫌いな人や苦手な人とは・・・できればそういうことをするのは避けたい。
そういう意味では・・・ラッキーだと思っている。
だっておーのさんは・・・仲良くしてくれてるし。
僕が好きな先輩のうちの1人だったから。
あの人は。
研修生の時から歌とダンスが飛びぬけていた人で。
知らない人はいないくらいだったんだけど・・・だからこそ。
みんな一目置いている感じで。
あんまり親しく話かける人もいなくて。
いつも居心地悪そうにしているから。
いつも僕の方から・・・話かけていた。
なんかね・・・なんとかしてあげたくなるのよ。
ちょっとほおっておけない感じで。
優しすぎるのかな・・・言いたいことも全然言えてない感じで。
だから・・・おせっかいにも僕はお世話をやいていた。
まあそれでも先輩だし?
カリスマ的な人気のある人でもあったから。
そんなに後輩の僕がくっついててもよくないかなって思った時期もあったんだけど。
他の人には・・・わりと寄せ付けない空気を作るくせに。
僕にはそんなことなくて。
だから・・・少なくとも嫌われてはいないなって思ってた。
でもそんな時に・・・おーのさんが京都へ行ってしまったんだ。
歌とダンスの上手さをかわれての大抜擢だったんだけど。
おーのさんは・・・それほど喜んではいなくて。
むしろ・・・知らない土地知らない人の間での仕事に。
ストレスを感じていたみたいで。
毎日のように僕に電話をかけてきた。
なんか・・・聞いているうちにさ。
おーのさんのストレスが日に日にたまっていくように感じて。
心配になって。
それで僕。
夏休みに・・・おーのさんの舞台見に行きたいって事務所の人に言ったんだよね。
そしたら・・・勉強という名目で見学に行くことになり。
数人が選ばれて。
僕もそん中に選ばれて。
それで・・・京都へ行ったんだ。
実際行って・・・何をしたって訳じゃないんだけど。
東京にいる時と同じようにピザ食べたりテレビ見たりしただけなんだけど。
結局・・・最終の新幹線で帰る時に。
なんか・・・おーのさんに引きずり降ろされて///。
もう1泊したこと・・・よく覚えてる。
すごくバツの悪い顔で。
もう1晩泊まっていけよって言ったおーのさんがもうなんかおかしくて。
笑いが止まらなかった。
って言うかあの・・・戸惑った顔が忘れられなくて。
今でもホント・・・あの時のことは鮮明に覚えている。
夜なのに暑くて。
つかまれた腕はもっと熱くて。
あの拗ねたような声も・・・未だに耳に残っているんだから。
あの一瞬はホント・・・僕にとって強烈だったんだと思う。
年上の・・・しかも歴も先輩の男の人にさ。
こんな風に普通に甘えられて。
って言うか新幹線から引きずり下ろすなんてわがまますぎじゃない?
我慢とかしないんだ・・・とか。
僕の気持ちは?・・・とか。
とにかく。
なんか・・・さ。
優しいと思っていたおーのさんの。
突然のわがままにギャップを感じて。
すごくびっくりしたけど。
すごく心に残ってるんだよね。
事務所辞めるかも・・・なんて言ってた時もあったけど。
結局その後しばらくして・・・おーのさんはデビューしちゃって。
その1年後に僕もデビューして。
互いに忙しくなり。
ちょっと遠い存在になっちゃったんだけど。
それでも数か月に1度くらいは会って・・・ご飯食べたりしていた。
それだって・・・何か特別なこと話すわけではなくて・・・
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つづく