一つ前に「ゆずれないよ 誰もじゃまできない」の記事がございます。
大宮さんの恋物語です。
嵐さんのとある曲をモチーフにしております。
タイトルは7話時に変更させていただきますね。
毎日20時up予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
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Side.O
ニノは。
同じ事務所の後輩で。
デビュー前の・・・いわゆる研修生の頃からの知り合いだった。
どうして親しくなったのかは・・・よく覚えてないけど。
初めて会った気がしなくて。
最初からナチュラルなため口で。
でもなんか。
何でも許せたんだ。
研修生の頃・・・俺が舞台の仕事で京都へ行っていた時も。
ずっと・・・毎晩電話で愚痴を聞いてくれていて。
勉強のためにって・・・何人かで東京から京都へ俺の舞台を見に来た時は。
みんなホテルに泊まったのに。
ニノだけは俺のアパートへ泊まった。
ピザ取って一緒に食べて。
全然仕事の話とかしなくて。
ただただ一緒にテレビ見て。
意味のない歌を口ずさみながら二人。
笑い合った。
次の日・・・朝からニノの希望で京都観光させられて。
なんか・・・グダグダしている間に時間があっという間に経っちゃって。
結局清水寺しか行かれなかったんだけど。
でも。
かき氷食って・・・真っ青になった舌を見せ合ったり。
あっという間に食っちゃった湯豆腐がすごく高くて。
店を出た瞬間顔を見合わせて笑っちゃったり。
なんか。
2人一緒にいるだけですごく楽しかったんだ。
そう言えばあの時。
子どもながらに漠然と思ったんだよなぁ・・・。
価値観が同じってこういうことかなって。
ニノと一緒にいてそう感じたこと・・・今思い出した。
その後・・・夜にみんなと一緒に俺の舞台を見たニノ。
舞台が終わってからも・・・一人だけ別行動して俺とラーメン一緒に食って。
みんなより遅く・・・最終の新幹線に乗りこんだ。
そのニノを。
駅で・・・ホームで見送るはずが。
なんか・・・どうしても離れたくなくて。
帰したくなくて。
発車のベルが鳴り響く中俺は。
手を伸ばして・・・ニノを引きずり降ろしたんだ。
は?って。
え?って。
びっくりするニノに。
もう一晩泊まっていけよって言ったら。
チョーわがままなんですけど///って。
すごくすごく可笑しそうに笑って。
けっこうジャイアンだよね・・・と言う。
それからすぐに。
ぁ・・・歌の上手いジャイアンね・・・なんて言い直すと。
自分が言ったことがおかしいみたいで新幹線のホームで笑いが止まらなくなったニノ。
口元を腕でおさえて笑うニノの。
上目づかいで俺を見るニノの。
そのニノの笑顔を見た時に。
ああ・・・俺。
ニノを好きなんだ・・・って自覚したんだ。
マジでガチで。
ニノに惚れてるんだって・・・そう気づいた。
そこから長い長い片思い。
ずっとずっとニノは・・・俺の心の中心にいて。
それは今も。
現在進行形で続いている。
出会ったこともキセキだけど。
こうして今。
同じフィールドに一緒にいられることも。
大きなキセキだと思ってる。
「おお・・・着いたね。おつかれさま。」
「ぁ・・・監督。おつかれさまです。お待たせしてすいません。」
「いやこちらこそ。疲れてるとこ悪いね。」
「・・・いえ・・・。」
「乾杯し直します?お姉さんにビール頼みますね。」
立ち上がると。
隅にあった電話で・・・お姉さんを呼ぶニノ。
こういうところ。
ホント・・・気が利くから助かる。
乾杯をして。
しばらく・・・他愛もない話。
今日は俺のライブがあったから。
その話とか・・・して。
ビールを飲みながらおいしい食事を食べていた。
監督は。
うちの事務所の子と仕事したことも多い人だから。
そういう・・・先輩や後輩の。
演技仕事の話なんかも聞いて。
楽しく話をしていた。
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つづく