21:00神保町④ | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
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大宮さんのラブラブ物語。

 

「あなたが望むなら」の続編です。

 

毎日20時の更新予定です。

 

 

  ~*~*~*~*~*~*~*~

 

 

 

俺が・・・全部見終わっても。

 

智は。

 

まだ最初の方の絵を見ている。

 

もう夢中なのがわかる。

 

俺が。

 

入れない領域。

 

智だけの世界。

 

智のとこまで戻って。

 

わざと。

 

ちょっとぶつかるようにして隣に立つけど。

 

俺にはまったく見向きもしないで。

 

軽く・・・アゴに指をあてて。

 

ぐん・・・とある1点にフォーカスさせて近寄ってみたりしている。

 

そして微動だにしない。

 

・・・ほらね。

 

この人が本気になると。

 

俺はいつも置いてけぼりになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すいっと。

 

離れて。

 

邪魔にならないように静かに椅子に座る。

 

いつもなら。

 

すぐに・・・スマホを出してゲームでもする俺なんだけど。

 

なんだろう。

 

ここは・・・そういう空間じゃなくて。

 

・・・。

 

・・・。

 

別に我慢してるわけでもなく。

 

絵を見ながら。

 

なんて言うか・・・頭を休ませるっていうか。

 

解放するっていうか・・・そんな感覚。

 

この部屋は・・・まるで異次元の世界みたいで。

 

1つ1つの絵の中にトリップしていく感じ。

 

時間の流れが。

 

少し違うように感じる。

 

俺は。

 

それこそ・・・絵みたいにほとんど動かない智の。

 

その後ろ姿を見つつ。

 

頬杖つきながら・・・智越しに絵を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらいそうしていたか。

 

ゆっくりと絵を見ていた智が。

 

急に・・・くるんと振り向くと俺を見た。

 

ただじっと。

 

俺を見ている。

 

何も・・・言わないんだけど・・・ね。

 

わかるのよ。

 

呼ばれてるって。

 

目がね・・・もう。

 

こっち来いって言ってるのよ。

 

俺は。

 

よいしょ・・・と小さな声で言い立ちあがると。

 

すっと・・・早足で智の隣に並んだ。

 

向き直って一緒に見た絵。

 

目の前にあるのは。

 

さっきの。

 

コンサートの・・・俺たちの絵だった。

 

 

 

「俺さ。」

 

「・・・ん。」

 

「こういうタッチの感じ・・・好き。」

 

「・・・へぇ・・・。」

 

「好きなんだよなぁ・・・。」

 

 

 

独り言みたいに言うくせに。

 

とん・・・と俺にくっつく智。

 

なんか・・・ね。

 

甘えてるみたい。

 

かまってほしい感じ。

 

俺にさ。

 

理解してほしそうなんだよね。

 

こういう時って・・・あんまりなくて。

 

だからすごく貴重で新鮮。

 

くすぐったく感じるんだけど。

 

素直に優しくしたくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういうとこが好きなの?」

 

「・・・ん・・・ここんとこ。」

 

「・・・へぇ・・・。」

 

「なかなか上手く描けないんだよ。こういうのって。」

 

「ふ~ん・・・。」

 

「いいんだよなぁ・・・こういうの。」

 

「・・・好きなんだね。」

 

「・・・ん。好きだな。」

 

「俺たち五人だね。」

 

「・・・ん。これ俺だろ?」

 

「違うよ///それ俺だよ。」

 

「ぇ///違う?」

 

「よく見てよ///あなたこっちでしょ。」

 

「ぁ・・・ホントだ///俺こっちだ。」

 

「もぉ///何見てんのよ///。」

 

「フフ・・・間違えたんだよ///。」

 

「作者さんに失礼だからね。」

 

「だな。ごめん。」

 

「絵に謝っても・・・///。」

 

「なぁ・・・こっち・・・。」

 

 

くいっと。

 

手首をつかまれてて。

 

引っ張られる。

 

どうやら。

 

一緒に絵を。

 

見たいみたい。

 

そこから・・・二人。

 

一緒に並んで。

 

絵を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1枚の絵を一緒に見る。

 

海に・・・雪が降っていて。

 

船の上に人がいる絵だった。

 

 

 

「これさ。」

 

「・・・ぅん。」

 

「俺なんだぜ。」

 

「・・・ぇ・・・そうなの?」

 

「そう。」

 

「へぇ・・・。」

 

 

 

言われてみると・・・そう見える。

 

うん。

 

まぎれもなく・・・これは智だ。

 

なんで。

 

この絵が智なのか。

 

どうしてそれを智が知っているのか・・・わからなかったけどでも。

 

鼻の穴をぷくっとふくらませて。

 

俺を見る智が。

 

自慢げで嬉しそうだからもう///。

 

詳しく聞くのは止めて。

 

ただただ・・・智が描かれたその絵を。

 

じっと見つめていた。

 

 

 

 

つづく

 

 

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