大宮さんのラブラブ物語。
「あなたが望むなら」の続編です。
毎日20時の更新予定です。
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階段を上がり。
3階手前の踊り場に。
個展の詳細が書かれていた。
作者の人の名前も書いてある。
その・・・個人名に記憶はなかったんだけど。
でもそこに書かれている絵・・・が。
絵・・・がさ。
・・・。
・・・。
俺たちだったんだよね。
俺たち五人。
ってことはつまり。
この個展を開いた人は・・・俺たちのファンで。
その人が。
個展を開いたって・・・こと・・・?
階段の壁に段々に飾られた絵を。
まん丸の瞳で・・・じっと見つめる智。
後ろから登ろうとする俺の前に立ちふさがっているから。
俺が登れない。
邪魔になっちゃいそうで・・・智を抜けない。
右か左・・・どっちかに寄って欲しいんだけど。
夢中な智はもう。
心が自由になっている。
何にもとらわれず・・・絵を見ている。
智が見つめる絵を見る。
優しい色合い。
俺の好きな雨・・・縦スクロールの世界。
キレイな青。
なんかさ。
絵の描き方とかテクニックとか。
そういうのって俺はよくわからないんだけど。
でもただただ。
単純に「好き」だなって思った。
結構時間をかけて。
智は絵をゆっくりと見て。
俺はその後ろについて一緒に見て。
登りきると。
カフェのようなスペースがあって。
そこにも・・・壁に絵が飾られていた。
それが・・その絵が。
「・・・ぁ・・・。」
「ほら。お前だろ?」
「・・・ん。」
描かれていたのは・・・俺だった。
いや・・・俺なんだけど。
俺じゃない・・・って言ってた智の言葉を思い出し。
なるほど・・・と。
その意味がやっとわかった。
っていうか・・・うん。
俺なんだけどさ。
ただの俺じゃない。
これは・・・。
すごいなって。
素直に思った。
絵を描く人て・・・ホントすごい。
絵とか芸術作品とかって・・・よくわからないけど。
同じものを見ても・・・人によって見えるものが違って。
それと同じように感じるコトが違って。
それを自分の中に引き込んで咀嚼して。
自分なりの表現で・・・外へとアウトプットする。
アイデアとか想像力とか言ってしまえばそれまでだけど。
アウトプットされた作品には・・・それだけじゃないその人の内側・・・つまり「内面」が見えるはずで。
だとすると。
人として魅力があればあるほど・・・その作品はきっと輝きを放つ。
この絵みたいに。
・・・。
・・・。
俺は。
絵を見て。
そんなこと・・・思っていた。
先の方の絵も。
どんどん見て行く。
五人の絵もあって。
これは・・・年末のコンサートの絵。
俺はさ。
この中にいた当事者だから。
この五人がいる風景は・・・俺には見えていないんだけどさ。
でも・・・すごくなつかしく感じて。
ただじっと見つめていた。
つづく
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