あちらの「Hit the floor」本日更新いたしました///。
大宮さんのBL物語です。
苦手な方はご注意を。
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立ち尽くす。
歩道の真ん中。
それなりの人が歩いていて・・・だから。
邪魔にならないように・・・すっと端っこへ避けた。
あの。
和君と初めて一緒に入ったお店の前。
ハロウィンの飾りつけでオレンジに染まる店。
明るい店内には。
ショーウインドウにケーキが飾られている。
キレイなケーキ。
甘い・・・ケーキ。
あの時二人で座った奥のテーブルには。
今・・・カップルが仲良さそうに座っている。
・・・。
・・・。
和君。
「和君俺・・・ホントは・・・。」
『・・・。』
「甘い物・・・好きじゃないんだ。」
『・・・ぇ・・・?』
「ごめん・・・嘘ついてて。」
『・・・。』
スマホの向こうから・・・和君のとまどいが感じられる。
何でそんな話?と思ってるはずなのに。
でも言わずに。
俺の次の言葉を待ってくれている。
電話を。
切らずに。
「和君。」
『・・・。』
「好きだよ。」
『・・・。』
「俺は和君が好き。」
『・・・。』
「愛してる。」
『・・・。』
俺を追い越したOLさんが・・・チラ・・・と俺を振り返る。
「愛してる。」の俺の声が聞こえたのか・・・。
一瞬・・・そのOLさんと目が合い。
ここが公衆の面前・・・多くの人が行き交う歩道だということを改めて認識し。
すっと・・・周りを見渡すけど。
うまい逃げ場がない。
スマホに集中しすぎて。
ここから動くことができない。
今。
俺には。
耳だけが。
俺の世界のすべてだった。
しばらくの沈黙。
ぎゅっと・・・スマホを握る手に力がこもる。
『・・・。』
「・・・。」
『それ。』
「・・・。」
『聞かなかったことにする。』
「・・・ぇ・・・。」
それは。
どういう・・・
『だから。』
「・・・。」
『会って顔見て・・・も一回言って?』
「・・・。」
声が。
和君の声が・・・甘い。
ねぇ・・・和君。
どんな顔して言ってるの?
心の奥が震え。
そこからまるで波動のように。
震えが全身に行き渡り。
ぶるる・・・と体が震える。
スマホを落としそうになる。
「わ・・・かった・・・。」
『・・・。』
「今どこに・・・?」
『右見て。道路の向こう側。』
「・・・。」
すっと。
視線を流し。
道路の向こう側を見る。
・・・と。
すぐに見つかる。
車が行き交う道路の向こうに。
和君が。
いた。
会ってもうすぐに言おうかと思ったら。
さっきの話は大野さんの家で聞くからね・・・と制され。
俺の家へ行く道すがら。
電車の中で・・・和君がぽつぽつと話し始める。
それなりに・・・混んでいるからヒソヒソ話になる。
二人・・・並んでつり革につかまる。
互いに外側の手でつり革を持つから。
自然に寄り添う感じになり。
真っ暗な窓に映るそんな二人の姿を。
俺はただじっと見つめる。
和君はもう。
泣いてはいなくて。
でも。
目はまだ少し潤んでいる。
「夕飯をね・・・今日の夕飯。」
「・・・。」
「お店でお弁当作ってもらおうと思って行ったんだけど・・・。」
「・・・。」
「とにかくもうね・・・なんかすごいのよ。翔ちゃんの挙動不審な感じが。」
「・・・。」
「変な動きするし。」
「・・・。」
「まーくんもね・・・顔が硬くて。」
「・・・。」
「全然しゃべんないの。」
「・・・。」
「なんかあるな・・・って思って。」
「・・・。」
「で・・・店ん中見渡したら・・・大野さんがいたの。」
「・・・。」
「女の人と二人で。」
「・・・。」
「ショックだったなぁ・・・すごく。」
「・・・。」
その時を思い出したのか。
きゅっと。
眉根を寄せる和君。
・・・でも。
どうして・・・。
.
つづく
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毎日20時に更新です。
楽しんでいただけたら・・・。
ではでは。
来てくださってありがとうございました。