大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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「作りますから・・・今からおでん。」
「・・・ぇ・・・。」
「材料買って来たんです・・・おでんの元も。」
「・・・でも・・・疲れてないの?」
「大野先生に食べてもらいたいんです。僕が食べたおいしい金沢おでんを。」
「・・・でも・・・」
「おいしかったんです。すごく。」
「・・・。」
「だから・・・大野先生にも・・・。」
「・・・。」
「すごくおいしかったから・・・その・・・。」
「・・・。」
「どうしても・・・食べて欲しいっていうか・・・。」
小さくなって聞こえなくなったニノの声。
二人・・・見つめ合う。
ずっと・・・翔君とニノの二人きりの時間を・・・空想の向こうにトリップしていた俺。
急に・・・リアルが戻ってきたかのように。
今俺の目の前にニノがいる事に・・・改めて気づく。
何かを訴えるように・・・じっと俺を見つめる瞳。
その・・・クリアな瞳を見て。
・・・。
・・・。
ついさっきまでトゲトゲしていた心が。
今のニノの言葉で・・・す・・・っと丸くなる。
俺に。
俺に食べて欲しい・・・と言うニノ。
そのために作ってくれる・・・と言う。
なんだろ。
うん。
なんか・・・さ。
俺が・・・モヤモヤしていただけで。
急に翔君とニノが近づいたと想っていただけで。
本当は何も変わっていなくて。
ニノは・・・相変わらず俺の隣にいるニノで。
翔君よりも俺を。
俺の事を・・・思ってくれているような。
そんな風に急に思って。
さっきまで感じていたひねくれたような心が。
まっすぐになったっていうか。
ぴん・・・と伸びたっていうか。
俺は。
・・・。
・・・。
一人で何を思い悩んでいたんだろう。
嫌な空想をあえてするなんて・・・おかしな話だ。
ニノが持っている・・・おでんの元みたいな箱を手に取り。
裏の説明書きを読みながら・・・ニノに言った。
「俺も手伝うよ。」
「いいですよ・・・僕が全部・・・」
「一緒にやろうよ・・・ね。」
「・・・じゃ・・・ぁ///お湯・・・沸かしてください。」
「・・・ん。」
二人。
キッチンに立つ。
黙々と・・・互いが互いのやるべきことをやる。
時々・・・ニノの指示が飛ぶのは。
オペ室と逆だけど・・・でも。
こうして隣同士に立っているのが。
やっぱり・・・しっくりきて落ち着く。
翔君とどんな風に過ごしてきたのか。
今でも気にはなる。
でも。
こうして俺の元に戻ってきてくれたニノ。
いや・・・家がここなんだから戻って来るに決まってるんだけど・・・でも。
それだって。
ニノの心が翔君に向いていたら。
例えば二人で出張帰りに飲みに行くとか・・・できたのに。
それをしないで帰ってきて。
俺に・・・食べておいしかったおでんを作ってくれる・・・と言うニノ。
もう・・・それで。
・・・。
・・・。
十分だよ。
まだ・・・トゲトゲした部分はあるけどでも。
ニノがこうして隣にいてくれる今を。
心やすらかに一緒に過ごしたい。
今の俺の正直な思いは。
ただただ・・・それだけだ。
だって・・・これは。
同じ時は二度とない大事な時間なんだから。
「僕ちくわぶ好きなんです。」
そう言いながら・・・ちくわぶを切るニノ。
「俺たまごが好き。」
「フフ・・・僕もたまご好き。」
言いながら・・・笑い合い見つめ合い過ごす今。
今この瞬間を。
何度も・・・エンドレスにリピートできればいいのに・・・なんて。
そんな事を・・・思って。
我ながら突拍子もない発想に。
少しだけ苦笑いした。
.
つづく