大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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食パンと・・・といた卵。
それから・・・それは・・・バター?
コンロにはフライパンが置いてある。
それは・・・え・・・?
「初めてだから・・・。」
「・・・。」
「上手くいくかわかんないんだけど・・・。」
「・・・なんですか・・・それ。」
「・・・ん///?」
ちょっと恥かしそうに・・・僕を見る大野先生。
久しぶりに見たその瞳に・・・吸い込まれそうで。
一瞬・・・身体が揺れた様な錯覚に陥り。
僕はテーブルについた手に・・・ぐっと力を入れた。
「これ・・・。」
「・・・。」
「フレンチトースト。」
「・・・ぇ。」
「ニノ・・・好きでしょ?」
「・・・。」
「だからさ・・・レシピ・・・聞いてきたんだよ。」
「誰に・・・ですか・・・?」
「食堂のおばちゃん。」
「・・・。」
テーブルの端に。
くしゃっとなった紙が置いてある。
大野先生の綺麗な字で・・・何か走り書きがされている。
端の方が少し・・・黄色く濡れているのは。
卵がついちゃったから・・・なのか。
少しだけ。
僕の鼓動が早くなる。
「それは・・・。」
「ホントは今・・・練習しようと思ってたんだよ・・・こんなのやったことないから。」
「・・・。」
「ニノにさ。」
「・・・。」
「食べてもらおうと思って。」
「・・・。」
「ちょっと・・・元気ないから・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
しばらくの沈黙。
気づいたら。
見つめられていた。
心配を隠さないその瞳。
ごめんなさい・・・すら言えずに。
ただ見つめ返す。
何か。
言おうとしてすっと息を吸った大野先生。
でも。
すぐに口を閉じ。
僕から目をそらして言った。
「・・・ナイスタイミングで起きてくるから・・・さ。」
「・・・。」
「ちょっとあせったけど・・・。」
「・・・。」
「体調悪いとか・・・ある?今。」
「・・・いえ・・・大丈夫です。」
「そう・・・食える?フレンチトースト。」
「・・・はい・・・食べられます。」
あなたが僕に作ってくれる物なら。
なんだって・・・食べます。
そう・・・思ったら。
目の奥が。
くぅっと熱くなった。
「これ・・・つけるんだよな・・・確か。」
そう言いながら。
そのキレイな指で・・・同じ大きさにカットされた食パンを。
そっと・・・卵の中にひたした。
指先が・・・黄色く濡れる。
そのまま・・・食パンをきゅぅっと卵の中に沈め。
視線を紙に流す。
じっと。
止まったまま。
紙を見ている。
その・・・横顔の美しさに見惚れ。
見つめられる紙にすら・・・嫉妬する。
「ああ・・・火・・・か。」
そう言うと。
汚れた手をキッチンペーパーで拭うと。
コンロに火をつけ弱火にした。
バターをひとかけら。
フライパンに入れる。
淡々とこなしていく手順。
まるで・・・オペみたいで。
自然と僕は横に立った。
「で・・・これを・・・いれるんだよな?」
「・・・ですね。」
一緒に紙を覗き込む。
いつもの立ち位置。
僕の居場所だ。
「手で・・・いい?」
「今さら・・・です。」
「だな。」
肩が触れ合うくらいの・・・隣同士の至近距離。
僕が・・・食パンがひたっているボールを持ち上げると。
大野先生が・・・そこから食パンを取り。
フライパンに入れた。
じゅっと言いながら・・・一瞬で広がる香り。
バターの香りも深くなる。
甘さが加わって・・・思いっきり吸い込むと・・・心がふわっと軽くなり。
僕は・・・思わず言葉がこぼれた。
「いい匂い。」
「・・・な。」
自然に目が合い。
目尻を下げた大野先生の瞳の奥に。
優しい優しい深い青が見えた・・・ら。
あ・・・好き
そう・・・思った。
心をぎゅっとつかまれ。
きゅっと口を結んでいないと・・・思わず言葉がこぼれそうになるくらい。
自然にそう・・・思った。
多分・・・見つめ合ったのはコンマ何秒。
不自然にならないように・・・視線をフライパンへとうつした・・・けど。
今。
・・・。
・・・。
たった今。
思った。
好き・・・って。
大野先生の事・・・好きって。
今。
素直に思った。
.
.
.
つづく