大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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Side.N
最低だった。
器具を落とすなんて・・・初めての事で。
それも・・・ショックだったんだけど。
そうじゃなくて。
そこじゃなくて。
・・・。
・・・。
そう。
大野先生。
あれから・・・手術室から出てすぐに。
手術衣を脱いで・・・そのまま。
ナースに一言告げ病院を出た僕。
仕事途中だったのに。
家に帰ってきてしまい。
今・・・服を着たままで僕は。
布団にくるまっていた。
だってもう・・・あそこにはいられなかったから。
どんな子が好みか・・・なんて。
男同士ではよくする話で。
だから今さらだったけど・・・でも。
どうしてか・・・それを大野先生の口からは聞きたくなかった。
なのに。
「俺は・・・笑顔の似合う子が・・・いいな。」
そう言った大野先生。
その・・・あまりの甘い声に。
反射的に顔をあげて・・・見た大野先生の顔は。
目は。
見たことないくらい・・・優しげで。
・・・。
・・・。
誰を・・・思いだしてるの?
そう思った時にはもう。
ハサミを手から落としていた。
最低だ。
思い出すだけで・・・自分が情けなくなる。
心が揺れすぎて。
あんな・・・器具を落とすなんて。
手術に影響を及ぼすかもしれないのに。
たまたまあとは縫合だけで。
器具も使うのはハサミだけだったから。
だから・・・大事には至らなかったけど・・・でも。
オペナースとしては・・・失格だ。
大野先生。
どう・・・思っただろう。
器具を落としちゃって。
仕事中なのに早退しちゃって。
僕のここ数日の異変とか・・・きっと気づいていると思うし。
だって顔も見ないし会話もろくに出来てないし。
僕は・・・何をしてるんだろう。
櫻井先生に言われてから。
自分の気持ちがわからなくて。
・・・。
・・・。
ううん。
ホントにわからないの?
もう。
ホントは。
僕は・・・大きくため息を吐いて。
布団の中で体の力を抜いた。
ここ数日の寝不足が・・・少しきいているみたいで。
体がだるい。
ベッドに沈む自分が。
シーツに包まれる感覚。
僕は・・・もう考えるのをやめて。
目を・・・閉じた。
ふっと・・・意識が戻り目が覚めた。
ここ数日の寝不足のせいで。
気絶するように眠っていたみたい。
なんで起きたのかわからないんだけど。
寝室が明るい。
枕元の時計を引き寄せ時間を見る。
けっこうな時間が過ぎていると思ったけど。
実際はそうでもなかった。
でも・・・眠りは深かったみたいで・・・すきっと起きられた。
もう・・・多分。
とっくに大野先生は帰ってきてるはず。
耳を澄ますと・・・かすかに聞こえる音。
多分・・・リビングにいる。
どうしよう。
早退したこと。
なんて言おう。
悩んで・・・考えた・・・けど。
いい答えが思い浮かばなくて。
でも・・・このままこうしてはいられない。
そう・・・思って。
僕は・・・ベッドからはい出た。
そっと・・・部屋を出る。
ささっと見渡したリビングには誰もいなくて。
あれ?と思って覗いた奥の方・・・キッチンから音がした。
ゆっくりと・・・近づくと。
そこに・・・大野先生がいた。
窓から差し込む朝の日の光で。
不思議と少しかすんで見える。
実物?
僕は立ち尽くし・・・じっと・・・ただじっと大野先生を見つめる。
僕に気づいた大野先生。
おはよ・・・と一言だけ言うと。
何か・・・キッチンで・・・何かし始めた。
何・・・してるの?
近づいて・・・覗き込むと。
そこには。
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つづく