大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~
そんな時に。
未明・・・明け方近くに救急に運ばれてきた・・・患者。
交通事故で腹部を強打した若い女性。
止血をするために開腹手術をすることになった。
初療室でのオペ。
ニノが素早く俺の隣につく。
その・・・いつも通りのスピードに。
少し安心しながら・・・松本先生とオペを進めた。
松本先生が言う。
「大野先生・・・患部見えます?もう少し広げましょうか。」
「いや・・・これでいい。」
「手ぇ・・・入りにくくないですか?」
「若い女性だからね・・・体のキズは小さい方がいい。」
「この子べっぴんさんですからね。」
「べっぴんさんかどうかは関係ないよ。」
「いや・・・男なら関係あるでしょ。大野先生だってキレイな女性好きでしょ?」
「・・・。」
答えにつまる。
だって俺が好きなのは。
・・・。
・・・。
ニノ・・・なんだから。
・・・。
・・・。
でも。
俺が答えにつまったところで。
きっとニノは・・・何も感じないだろう・・・と。
そこまで考えすぎる自分に笑いそうになった。
無駄口が多いのは。
オペの見通しが明るいからで。
だから・・・おしゃべりは嫌いではないけど・・・でも。
その話題は避けて欲しかった。
「鉗子。」
・・・。
・・・。
一瞬の間が空く。
俺の声・・・聞こえない?
え・・・と思って隣のニノを見ようと思った瞬間に。
「はい。」
・・・と・・・鉗子が出てきた。
多分・・・コンマ何秒・・・だったと思うけど。
器具出しが遅れたニノ。
それでも・・・十分に早い方だから。
だから・・・このニノのいつもと違う様子に。
気づいたのはきっと俺だけだ。
ここしばらく様子がおかしいニノ。
それが俺の思い過ごしでない事も今・・・確信した。
少し・・・集中しての治療が続く。
出血場所を特定してからの・・・止血。
そこの処置をして。
出血が完全に止まった事を確認する。
腹膜炎も起こしていない。
あとは・・・事後処理だけだ。
「大野先生・・・どんな子が好みなんですか?」
緊張が緩み・・・松本先生がさっきの話を続ける。
返事に困る俺。
「好みって・・・。」
「あ・・・俺も知りたいです。」
麻酔医の風間先生までが言う。
そう言えば・・・そう。
偶然だけど・・・ここの部屋には今男性しかいない。
「別に好みなんて・・・。」
「あるでしょ・・・好みくらい。」
「・・・ぅ・・・ん・・・。」
ホントに・・・聞かれても困る。
だって。
・・・。
・・・。
俺は。
「俺はね・・・やっぱり優しい子がいいな。」
「それは俺も一緒ですよ。」
松本先生の言葉に・・・風間先生が同調する。
ニノは・・・聞こえているのかいないのかわからないけど。
会話には入ってこない。
何か。
考え込んでいるようにも見える。
縫合を進める俺。
「大野先生もですよね?」
「ん?・・・ん・・・まあ・・・ね。」
曖昧に答えた。
って言うか。
俺がこんなに言い淀んだとしても。
ニノが何か思うはずもなく。
そう・・・思うはずがない。
だから・・・うん。
言っても・・・いいか。
そう思って。
少しだけ。
思いを口に出した。
.
.
.
つづく