大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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「それが・・・何か・・・?」
「ん?」
「院長になる人は・・・その頭取のお嬢さんと結婚するって・・・。」
「・・・。」
「それが何か?」
「・・・。」
見つめられる。
多分・・・未だかつてないくらいの至近距離。
ちょっと・・・僕がのけぞるくらい・・・で。
大きな瞳。
その奥に・・・眉根を寄せた僕が映っている。
「ホントに気づいてないんだね。」
「ぁ・・・それ・・・。」
「・・・ん?」
「それ・・・なんなんですか?」
「・・・。」
「前もそんな事言いましたよね僕に。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・言った。」
「・・・いったいどういう意味なんですか?」
「・・・言葉通りの意味なんだけど・・・。」
「だからそれ・・・」
「ニノさ。」
「・・・。」
「智君の事好きでしょ。」
・・・。
・・・。
何を言ってるんだろうって。
そう・・・思った。
好きに決まってる。
だって尊敬しているし。
人としても・・・憧れ・・・みたいなもの。
あるし。
「好きですけど。」
櫻井先生の目を見てハッキリと言った。
だって好きだし。
「違う違う。その『好き』じゃないよ。」
「・・・。」
「やっぱホント気づいてないんだね。」
「どういう意味ですか。」
「『愛してる』って意味だよ。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・え?」
「ラブだよ・・・ラブ。」
「・・・。」
「男女の愛情と同じヤツ。」
何言ってるの?って思った。
だって僕と大野先生は男同士だし。
だから。
・・・。
・・・。
そういうの。
ある訳ないし。
そりゃ・・・一緒に暮してるけど・・・でも。
・・・あ。
もしかして・・・櫻井先生。
僕と大野先生が一緒に暮しているの・・・を。
なんか勘違いしてるのかも。
「櫻井先生・・・違います。」
「・・・。」
「僕と大野先生はそういう関係じゃないです。」
「・・・。」
「なんか勘違いしてます。」
「・・・。」
「一緒に暮してますけどでもそれは・・・」
「ねぇ・・・想像してみて。」
突然。
手をとられ。
櫻井先生の両手で僕の手がキュッと握り込まれた。
その力強さと・・・それとは逆の声音の優しさに。
不思議と守られているような感覚になり。
僕は黙った。
なぜか。
・・・。
・・・。
その言葉の続きを待っている僕。
「智君の隣に女性がいる事を。」
「・・・。」
「例えばその家のキッチンにさ・・・女性と二人で並んで立っているとことか。」
「・・・。」
「ソファ?テレビ見てるのは・・・そこに女性と二人で並んでいる智君とか。」
「・・・。」
「想像してみてよ。」
「・・・。」
「・・・どう?」
どうって言われても。
なんて返事したらいいのか。
ただ。
・・・。
・・・。
ちょっとだけ・・・心がざわつく。
「もっと言うよ。」
僕を。
睨むくらいのきつい目で・・・見つめる櫻井先生。
聞きたくない。
そう思いつつ。
先が気になる僕。
こんな風に自分の気持ちが矛盾するなんて。
初めてだった。
自分が何を考えてるのか。
よく・・・わからない。
口をあけて・・・大きく深呼吸する。
ちょっと・・・息苦しい。
胸がチクチクする。
じわっと。
手に汗をかいてくる。
櫻井先生から・・・目が離せない。
.
.
.
つづく