大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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「それも・・・まあ・・・あるけど・・・。」
「・・・。」
「でも・・・。」
「・・・。」
「それは医者個人としてでもまあ・・・できなくはないから。」
「じゃあ・・・。」
「・・・。」
「なんで・・・?」
「・・・ぅ・・・ん・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「すいません・・・こんな事聞いちゃって・・・。」
聞いておいて。
踏みこみすぎたかも・・・と反省する。
大野先生だって言いたくないこと・・・あるかもしれないのに。
そう言えば少し言い淀んでいる雰囲気に。
今さらだけど気づいた。
気まずくなってグラスのウイスキーをくぴっと飲んだ。
そう・・・だよね。
僕に理解してもらう必要とか。
大野先生にはないんだから。
深入りしすぎて・・・ちょっと失礼だったかも。
そういうこと全部。
知る立場にいないのに。
知る・・・立場・・・。
・・・あ・・・れ?
今・・・少しだけ。
心がざわついた。
ううん違う。
だって・・・こうしてそばにはいるけど・・・でも。
一緒に住んでいるのは大野先生の優しさであって。
大野先生と僕は医者と看護師って関係だし。
だから・・・それ以上の関係では・・・なくて。
って言うか・・・それ以上って。
なに。
「知りたい?」
突然そう聞かれて。
反射的に大野先生を見た。
その・・・声が。
なんか・・・甘くて。
急に・・・距離の近さを感じる。
密やかな何か・・・を。
これから告げるかのように・・・じっと見つめられ・・・僕は。
「はい・・・知りたいです。」
その瞳をまっすぐ見つめ返しながら言った。
いいの?
教えてくれる・・・の?
テレビもつけずに。
ソファに二人で座っている。
さっきまで聞こえていた外の車の音も。
今は全然聞こえない。
もう・・・遅い時間。
だけど。
大野先生と僕には時間がある。
「俺は・・・。」
「・・・。」
見つめられたまま・・・囁くような小さな声で。
大野先生が言う。
その・・・次の言葉を待っている僕に。
突然すっと。
でも・・・緩やかに伸びて来た大野先生の指。
あ。
触られるって思ったら。
一瞬で緊張して。
金縛りにあったように動けなくなった。
「なんか・・・ついてる・・・。」
そう言いながら僕の髪に触れる大野先生。
すいっと・・・指で何かをつまむと。
テーブルの下のゴミ箱へ・・・それを捨てた。
こんな時に。
髪にゴミつけてるなんて・・・と。
恥ずかしくなる。
って言うか。
どうして今。
大野先生が僕に触れる・・・と思って。
緊張とか。
なんでしたんだろう。
「すいません。」
小さい声で言うのがやっとで。
いつもと違うこのドキドキする感じは。
多分飲んでいるせいだ・・・と。
そう思いこむ。
って言うか。
それ以外に理由がない・・・と思う。
静かな夜・・・だから。
余計に自分の鼓動が聞こえそうで。
ちょっとだけソワソワする。
「院長になると・・・。」
「・・・はい。」
ゆっくりと話出す大野先生。
僕は耳を傾けた。
「ある意味・・・院内の事・・・思い通りに動かせるでしょ?」
「・・・。」
「もちろん簡単ではないけど・・・その・・・俺の意思で選べるっていうか・・・。」
「・・・選べるって・・・それは・・・。」
「・・・。」
「製薬会社とかってこと・・・ですか?」
「ん?ああ・・・まあそれもそうだけど・・・。」
「・・・。」
「そこは別に・・・そんなにこだわってない。」
「・・・。」
「って言うか・・・逆にそういうとことの付き合いは俺は・・・あんま得意じゃないから・・・。」
「・・・。」
「それをしなくちゃいけないとなると・・・院長は大変だなって思うけど・・・。」
「じゃあ・・・選べるって言うのは・・・?」
「・・・。」
「・・・。」
「人事・・・とか・・・。」
「・・・人事?」
「いやまあ・・・人事って言うとおおげさなんだけど・・・。」
「・・・。」
大野先生の顔を覗き込む。
人事ってどういう意味なんだろう。
え・・・もしかして。
救急を辞めたい・・・とかそういうこと?
あ・・・でも。
大野先生なら自力で異動できそうだし。
だから。
そうじゃなくて。
誰か救急に欲しいってこと?
それとも。
誰かを・・・辞めさせたい?
.
.
つづく