大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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結局・・・洗い物を手伝ってもらって。
やっぱり少しだけ飲もうか・・・と言われ。
飲む準備をしてリビングへと戻った。
ウイスキーの水割りを慣れた手つきで作る僕。
大野先生の水割りの好みはわかっている。
少し濃い目に作って・・・氷をたくさん。
クルクルとグラスを回しながら・・・手の熱で溶かしながら飲むのが好きみたいだった。
僕は・・・最初から薄目。
氷は少なめで・・・レモンを少し絞るのが最近のお気に入りだ。
作り終え・・・グラスを合わせ乾杯する。
くいっと・・・最初の一口を大きく飲む大野先生。
今日は酔いそうって・・・そう言ってたのに。
大丈夫なのかな・・・なんて思いながら僕もグラスに口をつけた。
あまりもったいぶっても・・・と思い。
すぐに話そうとしたんだけど。
そもそも・・・何をどう話すべきなのか。
イマイチまとまっていなくて。
だって一応・・・櫻井先生と話をしたって事は内緒なんだから。
それで・・・話すのを躊躇してしまったんだけど。
じっと大野先生が僕を見るから。
だから見切り発車で話始めた。
「大野先生は・・・。」
「・・・うん?」
「院長に・・・なりたいんですか?」
「・・・。」
見切りにしては。
ずいぶんとハッキリ質問してしまった・・・と。
言っておいて・・・ちょっとあせった。
「通達・・・見たの?」
「・・・はい・・・。」
厳密には。
通達も見たし櫻井先生から話も聞いたし。
なんなら・・・少し前に院長からも直接聞いていたから。
僕からしたら今さらの通達なんだけど。
「そっか。」
手の中で。
グラスをユラリと揺らす。
やっぱり手がキレイだ。
って言うか・・・うん。
グラスをじっと見つめる瞳もキレイ。
男性に・・・キレイはおかしいのかもしれないけど。
思うんだからしかたないよね。
くぴっと・・・もう一口。
大きく飲む。
すでにグラスの中身は半分くらいに減っている。
それをまた・・・ユラユラと揺らす先生。
「なりたいかなりたくないかって言ったら・・・。」
「・・・。」
「ぅ・・・ん・・・なりたい・・・かな。」
「え。」
「え?」
「ぁ・・・いえ・・・。」
ちょっと・・・意外。
あんまり興味がないのかもって・・・勝手に思ってたけど。
そうでもなくて。
やっぱりなりたいんだ。
・・・。
・・・。
優しい人だと思ってた・・・けど。
あ・・・別に・・・だからってその・・・いわゆる野心があるかないかっていうのは。
優しいかどうかとは別問題だけど・・・でも。
そう。
穏やかな人だと思ってたから・・・ちょっと驚いた。
争い事は好まないって・・・そう勝手に思ってたけど。
櫻井先生と須山先生とライバルになる覚悟があるんだ・・・って。
ちゃんと野心があるんだ・・・って・・・そう思って。
あ・・・でも。
野心があるのかどうか・・・わからないよね。
そう。
大事なのは理由だから。
「どうして・・・院長になりたいんですか?」
「・・・。」
「・・・わかりますけど・・・病院で一番偉い人だから・・・。」
「・・・。」
「・・・でも・・・大野先生は・・・別に偉くなりたい訳じゃないですよね?」
「そう・・・偉くなりたいわけじゃないよ。」
大野先生が笑いながら言い。
グラスのウイスキーを・・・くいっと。
今度は少しだけ飲んだ。
よかった。
ちょっとなんか・・・そこは安心した。
・・・でも。
例えば大野先生が「偉くなりたい」って言ったとしても。
それでも言葉通りにはきっと僕は受け取らないと思う。
だって大野先生はそういう先生じゃないから。
「じゃあやっぱりその・・・医者としてのビジョン・・・ですか?」
以前に聞いた事を思い出す。
医者主体の治療ではなくて。
患者主体の治療をしたい・・・と言っていた事。
それは院長になれば叶うことかもしれない。
大野先生の手からグラスを預かる。
また氷をたくさんいれ。
ウイスキーをいれる。
いつもよりもちょっとピッチが早いかも・・・と。
頭の端の方で・・・ぼんやりと思った。
意図的に・・・さっきよりは薄めに作って。
コトン・・・とグラスをテーブルに置くと。
ありがと・・・と大野先生が小さくつぶやいた。
グラスをテーブルに置いたまま。
ゆらっと傾けながら先生が話を続ける。
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つづく