大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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「院内人事に・・・俺は別に口出すつもりはないんだ。」
「・・・。」
「そういうのよくわかんないし。」
「じゃあ・・・どういう意味なんですか?」
「う・・・ん・・・その・・・対外的にっていうか・・・。」
「対外的?」
「いやだから・・・。」
急にしどろもどろになる先生。
持っていたグラスを。
けっこうまだずいぶんと入ってるのにコクコクっと・・・ほぼほぼ飲みほした。
立ち上がりキッチンへ行き。
上の棚をゴソゴソする先生。
ゆっくりと戻って来ると。
その手には・・・柿ピーとチョコレートを持っている。
腰を据えて飲む気なんだ・・・って言うことがわかって。
ちょっと嬉しくなる。
まだこの話題をしてくれることに。
僕に説明しようとしてくれるんだ・・・と。
そう思ったから。
「海外の医師団の事・・・知ってる?」
「はい・・・活動の事は・・・聞いてます。」
それは知ってる。
かなり有名だし・・・同じ医療に携わる者として。
それに参加している人達の事。
すごいな・・・って。
本気で尊敬しているから・・・だから・・・よく知っている。
「今さ・・・ちょっと・・・そのなり手がなくて・・・。」
「・・・。」
「それなりの病院が持ち回りで・・・その・・・医者とか看護師とかを派遣しようって・・・。」
「・・・。」
「そういうその・・・国家レベルでバックアップして・・・やるっていう・・・。」
「・・・。」
「計画があるらしいんだ。」
「へぇ・・・。」
それは知らなかった。
なり手がいない・・・なんて。
確かに過酷だし。
言葉の壁とか衛生面とか。
そういうの・・・大変だと思ってたけど。
「なり手がいない・・・と言うよりは・・・。」
「・・・。」
「多分・・・需要が多いってこと・・・なんだろうけど。」
「・・・。」
それなら・・・なんとなくわかる。
世界中で医者を必要としている人はたくさんいるだろうから。
僕が薄めに作ったグラスの水割りを・・・またくいっと飲む先生。
柿ピーを数粒指でつまんで。
ぽん・・・と口へとほおりこんだ。
ポリポリ・・・という音が。
話の内容とは逆に・・・なんだか呑気に聞こえて。
するり・・・と体の力が抜けた。
っていうか・・・自然と体に力をいれていたこと。
今気付いた。
「それ・・・で・・・?」
「ぅん・・・まあ・・・それで・・・。」
「・・・。」
「うちの病院に・・・例えば依頼された時に・・・。」
「・・・。」
「誰を推薦するかっていう・・・そういう事を・・・さ・・・。」
「・・・。」
「決めるのは院長だから・・・。」
「・・・。」
「だから・・・」
「誰か推薦したい人がいるんですか?」
僕も。
柿ピーに手を伸ばし。
数粒つまんで口へといれた。
確かこれ。
黄金比・・・みたいなのがあったはず。
なんだっけ。
六対四だったっけ・・・七対三だったっけ・・・なんて。
そんな事思いながら。
ポリポリと噛んでいた・・・から。
気づかなかった。
じっと・・・見つめられていることに。
・・・。
・・・。
え・・・と。
何か僕・・・変な事言った・・・?
「・・・先生・・・?」
「・・・ん・・・。」
「あの・・・。」
「うん・・・そう・・・だね・・・推薦したい人・・・うん・・・いや・・・。」
「・・・。」
歯切れの悪い言い方。
海外医師団に推薦したい人がいる。
それだけが院長になりたい理由ではないだろうけど。
ずいぶんと言いにくい様子の大野先生を見て。
もうこの話はやめようと思った。
大野先生は院長になる意志がある。
それを知れただけでもう十分だったから。
もう・・・残り少ないグラスのウイスキー。
薄くなった琥珀色の液体を見つめ思う。
自分の気持ちは・・・もう決まった。
櫻井先生には悪いけど。
大野先生が院長になりたい・・・と知った今。
僕は全力で大野先生の味方をするつもりだ。
だから。
櫻井先生には今日のこと断わろうと決めた。
第一・・・僕が誰につこうが。
櫻井先生が言うような・・・そんなに影響があるとは思えない。
きっと・・・もっと。
役員とか・・・古株の医者とか。
そういう人が直接的な決定権を持っているだろうから。
だから・・・僕一人がどう動こうと。
たいしたことはないって・・・思う。
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つづく