大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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ざざっと・・・テーブルの上の書類をその腕で一気に端に寄せる櫻井先生。
僕の前にコーヒーを置くと。
目の前でお弁当を広げた。
「ごめん・・・時間なくてさ・・・飯食いながらでいい?」
「いいですけど・・・。」
あきらかに手作りのお弁当。
花柄のかわいいハンカチでくるまれている。
それは・・・。
「それ・・・手作りですか。」
「うんそう。ナースがね・・・作ってくれたの。」
ふたをあけると。
タコのウインナーとか卵焼き。
緑のは・・・それは・・・ほうれん草?
パッと見ただけでも手が込んでいる。
なぜか。
今朝の相葉先生の寂しそうな瞳を思い出し。
よくわかんないんだけど。
なんとも言えない気持ちになった。
「話ってなんですか。」
「ん?・・・うん。」
タコのウインナーを二つ一緒に口に入れる櫻井先生。
まだ・・・飲み込んでいないだろうに。
すぐに卵焼きを口に入れた。
「あの・・・さ・・・。」
モグモグしながら話す櫻井先生。
普通ならお行儀の悪い仕草なのに。
どうしてか下品な感じを受けない。
育ちがいいのかな・・・と漠然と思った。
そう言えば大野先生も食べ方がすごくキレイだ。
箸の持ち方もキレイだし。
すっと添える左手も芸術的に美しい。
あまり大きな口をあけて頬張らない大野先生は。
なのに・・・食べるのが早くて。
「通達見た?」
櫻井先生に聞かれ。
我に返る。
「見ました。」
すぐに・・・そう答えて。
そして想像する。
今から櫻井先生が。
僕に何を話すのか・・・と。
でも・・・よくわからなくて。
だから・・・その次の櫻井先生の言葉を待った。
「次期院長なんだけど・・・。」
「・・・はい。」
「俺ね・・・院長になりたいんだよ。」
「・・・。」
それは想像できた。
って言うか・・・多分。
次期院長候補・・・と呼ばれている三人とも。
院長にはなりたいんだろうなって・・・思う。
大野先生は・・・もしかしたら違うかもしれないけど・・・でも。
理想の病院を作りたいって事で言うと。
そう言う思いはあるだろうな・・・と思った。
でも櫻井先生は。
なんでわざわざ僕にそんな宣言をするんだろう。
ご飯を・・・多分炊き込みご飯みたいなんだけど。
それを大きな一口で口に入れると・・・そばにあったお茶をすぐにゴクンと飲んだ。
「三つ巴な訳よ・・・俺と智君と優君の。」
「・・・はい。」
「でも優君はさ・・・ほら・・・例の件で・・・。」
「・・・。」
「一歩後退しちゃったと思うんだよね。」
「・・・。」
例の件・・・とは。
あの「誤診騒動」のこと。
患者さんのご家族が・・・あのことはなかったことにしてくれて。
もうすっかりよくなって退院していったけど。
でも・・・うんあれは。
院長にはよくない印象だったと思う。
「だからさ・・・まあ・・・俺と智君のさ。」
ほうれん草を。
一気に全部箸で掴んで口に入れる櫻井先生。
2.3回噛んで・・・すぐにゴクンと飲み込んだ。
「一騎打ち的な?そんな感じな訳。」
「もう少しよく噛んだ方がいいですよ。」
「・・・。」
「ちゃんと味わわないと・・・作ってくれた人に失礼です。」
「・・・。」
少し屈んで食べていた櫻井先生。
僕を上目づかいで見つめる。
「やっぱ・・・。」
「・・・。」
「脳外科に欲しいな。」
「・・・は?」
「いや何でもない・・・ちゃんと感謝して食うよ。」
「・・・。」
意外に。
素直に言う事をきく櫻井先生。
そこからは。
びっくりするくらい丁寧に食べ始めた。
「話続けていい?」
「どうぞ。」
「まあ・・・つまりはさ・・・残ったのは俺と智君でさ。」
「・・・。」
「俺ら二人がよほどのヘマしない限り・・・もう優君が浮上してくるのは難しいと思う訳。」
「・・・。」
それは・・・そうだと思う。
あれは・・・ホント下手したら訴えられても仕方ないことだったと思うから。
「俺はね・・・何度も言うけど・・・院長になりたいんだよ。」
「・・・。」
「だから・・・ニノさ。」
「・・・。」
「俺の味方になってくんない?」
「・・・。」
言ってる意味が。
いまいちよくわからなかった。
櫻井先生が院長になりたい。
それはわかったけど。
どうして僕が。
なんで味方に付く必要がある?
.つづく