大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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約束よりも少し早い時間。
院長室に入ると・・・そこには翔君がいた。
ゆったりとしたソファにどっしりと座っている。
ゆっくりと正面に座る俺。
いつもの・・・キツイ感じの美人な秘書さんは。
今日はいなかった。
「ぇ・・・翔君も?」
「そう・・・呼ばれた。」
「・・・昨夜のこと・・・だよね・・・。」
「だと思ってたけど・・・。」
「・・・。」
「俺が呼ばれたって事は・・・昨夜のこと以外にも話があるのかも。」
「・・・。」
俺も・・・そう思う。
昨夜の事の報告だけなら。
俺だけでいいはずだ。
最終的に患者さんのご家族と話をしたのは俺なんだから。
なのに・・・翔君が呼ばれていて。
もしかしたら優君も呼ばれているかもしれない。
もしそうだとしたら・・・こうしていとこの三人が同時に集まるのは。
初めての事だった。
「優君も・・・呼ばれてる。」
俺の心が読めたのか。
翔君が・・・背持たれていた体を戻し。
前かがみになりながら・・・小さな声で俺に言った。
「・・・そう。」
「智君・・・気まずい?」
「まあ・・・ね。」
「だよね。」
そう言いながら・・・軽く眉根を寄せて俺を見る翔君。
いい男だな・・・と。
素直に認める。
整った顔立ち。
意志の強さと自信が・・・瞳に現れている。
昨夜の・・・あの「誤診」を言うか言わないか・・・の時だって。
その翔君の瞳の強さに柄にもなく本気になった俺。
翔君が言っていた事は・・・よくわかる。
俺だって騒ぎにしたい訳じゃないんだ。
でも信念は・・・例え翔君が相手でも曲げたくなかった。
納得はしていない様子の翔君だったけど。
最終的には俺の意思を尊重してくれた事には感謝している。
俺は・・・出されたコーヒーを飲みながら。
今日は朝からコーヒーの飲みすぎだな・・・と思った。
昨夜。
患者さんのご家族に。
すべて・・・隠すことなく伝えた俺。
申し訳ございませんでした・・・と詫びると。
隣にいたニノも一緒に頭を下げてくれた。
昼間の担当医から詳しく話しを聞いた後で。
改めてまたお話しをさせていただきます・・・と言ったところ。
そのご家族・・・奥さまが・・・もういいと言った。
「うちの主人・・・我慢強くて・・・。」
「・・・。」
「なので・・・ちゃんと先生に痛さとかお伝えしていなかったと思うんです。」
「・・・。」
「ホント・・・お医者さん嫌いで・・・。」
「・・・。」
「ダメな患者だったと思います。こちらこそ・・・ご面倒おかけしてすいません。」
「いえ・・・。」
奥様いわく。
ご主人の方が多分悪い・・・とそう言っていて。
外来での診察の事はもういいです・・・と言われたんだ。
隣の翔君があくびをする。
ふと時計に目をやる・・・けど。
約束の時間は・・・もうとっくに過ぎている。
「翔君・・・今日の予定は?」
「明日のオペの下準備・・・ちょっとやっかいなんだ。」
「そう・・・。」
「ホントはニノを借りたいんだけどね。」
「・・・。」
「にらまないでよ・・・借りないから///。」
にらんだつもりはないのに。
そんな事言われる。
俺は・・・どんな顔しているのか・・・と。
自分で自分の顔が・・・わからなくなった。
やがて・・・院長がやってきて。
少し遅れて優君がやってきた。
細面の優君。
眼鏡の奥の切れ長の目が。
時に冷淡に見えることがあって。
さらには・・・俺と翔君よりも少し年が上だから。
親戚の集まりがあってもなかなか一緒に遊ぶ機会がなかったから。
いとことはいえ・・・少し遠い存在ではあった。
俺達と同じ・・・外科医を目指していたはずだったのに。
いや・・・確か脳外科を専攻していたはずなのに。
いつの間にか内科医になっていた優君。
その転身の理由は・・・俺も翔君も知らなかった。
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つづく