大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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「ニノ。」
「・・・はい。」
「いいから・・・ここにいて。」
「・・・。」
大野先生に言われる。
櫻井先生の顔を見ると。
うん・・・と頷くから。
そのまま・・・大野先生のそばにいた。
「智君・・・どうするつもり?」
「・・・。」
「患者のご家族になんて言おうと思ってる?」
「・・・。」
「どういう状況だったか・・・はさ・・・優君に聞かないとわかんないし。」
「・・・。」
「一概に『誤診』とは言えないからさ・・・。」
「・・・。」
「ここは・・・なんとかうまく言って・・・。」
「・・・。」
「その時の優君の診断は正しかったって言った方が・・・」
「優君は・・・。」
「・・・。」
「検査しなかった。」
「・・・。」
「エコーやCTは時間的に難しくても・・・簡単な血液検査くらいはすぐできたはずだ。」
「いや・・・そうだけどでも・・・」
「内科医なら・・・優君ならできたはずだよ・・・その検査。」
「・・・。」
「虫垂炎なんて・・・腹痛を訴える患者なら最初に疑うべき病気だし。」
「智君の言ってる事はわかるよ・・・でも・・・」
「わかってる。『誤診』とは言えないって。でもその可能性はあったってご家族に言った方が・・・」
「波風立てるの?」
「わざと立ててる訳じゃない。」
しん・・・となる。
大野先生と櫻井先生。
さっきはあんなにも意志の疎通ができていた二人なのに。
今は。
意見が一致しない。
僕は・・・複雑な思いで二人のやりとりを聞いていた。
「俺はね・・・智君。」
「・・・。」
「優君をかばってる訳じゃないんだ。」
「・・・。」
「誤診された患者の・・・その家族の気持ちを考えた方がいいと思ってんの。」
「・・・。」
「誤診されたなんて・・・ショックじゃん?」
「・・・。」
「その時の医者はちゃんと最善を尽くしましたって言われた方がさ・・・俺はいいと思うんだよ。」
「・・・。」
「それにさ・・・もし訴えられでもしたら・・・勝ち負けに関係なく優君にも・・・病院の名にも傷がつく。」
「・・・。」
「そうなったら・・・信用を取り戻すのは大変なことだよ?」
「・・・。」
「智君・・・よく考えて。」
「・・・。」
「結果的にはさ・・・あの患者もこうして手術できた訳だし。」
「・・・。」
「だから・・・」
「あの患者は・・・。」
「・・・。」
「本来ならここまで痛むことはなかったはずなんだ。」
「・・・。」
「こんなに・・・救急車で運ばれるくらいの痛みを経験しなくてもすんだはずなんだ。」
「・・・そうだけど・・・。」
「腹膜炎だって起こした。」
「・・・。」
「それに関して患者に詫びるのは・・・必要な事だと思う。」
「・・・。」
「俺は事実を話す。」
はぁ・・・と。
櫻井先生の大きなため息が聞こえた。
そして・・・僕を見て言う。
「ニノ。」
「・・・はい。」
「ニノはどう思う?」
「僕の意見なんかは・・・」
「聞かせてよ。」
何か含んだような表情。
若干・・・すがるように見えるその瞳。
櫻井先生が・・・僕に何を求めているのか・・・が。
わかったような気がする。
でも・・・うん。
ちらっと大野先生を見ると。
大野先生も・・・僕を見ている。
そう・・・僕は。
うん。
僕の意見なんて・・・もう最初から決まっている。
「僕は・・・。」
「うん。」
「大野先生に賛成です。」
「・・・。」
櫻井先生の大きなため息がもう一度聞こえた・・・けど。
そんな事よりも。
僕を見る大野先生の顔が。
ぱぁ・・・と明るくなったことに。
嬉しくなる。
子供みたいな笑顔で見つめられ。
照れるくらいだった。
オペ中にあれだけ感じていた疎外感が。
一瞬で解消される。
大野先生のそばにいるのは僕だ・・・と。
実感する。
そして・・・なぜかその・・・無防備な大野先生の笑顔に。
その少しタレた目と緩んだ口元に。
ちょっとドキッとして・・・一瞬目を奪われた。
.
つづく