大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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「寒いですね。」
「ん・・・。」
もうかなり遅い時間。
途中から薄暗くなる廊下を・・・職員食堂へ進みながら話す。
確かに寒い。
そう言えばまた雪が降ると天気予報では言っていた。
「大野先生・・・明日・・・予定ありますか?」
突然俺を見ずに・・・前を見ながら言うニノ。
だから・・・さ。
予定なんてないんだよ。
ニノのために全部あけてあるんだから。
薄暗い中。
非常灯の明かりだけで廊下を進む。
もう食堂はとっくに終わった時間。
今・・・ここを歩いているのは。
俺達のように食堂の自販機に用事がある人だけだろう。
静かで誰もいない空間。
二人だけの世界みたいだ。
「ないよ。」
「じゃあ映画・・・付き合ってもらえますか?」
「・・・映画・・・?」
「チケットもらったんです・・・松本先生に。」
「へぇ。」
「もう・・・明日で終わっちゃうらしいんです・・・その映画が。」
「なるほど。」
「松本先生・・・行かれないらしくて・・・。」
「そうなんだ。」
「はい・・・で・・・誰かとデートしておいで・・・って言われて。」
「ぇ・・・。」
「フフ・・・男同士でデートって言うのもなんなんですけど。」
「・・・。」
「他に一緒に見たい人もいないので・・・。」
「・・・。」
「だから明日一緒に映画を見・・・」
「行く。」
「フフ・・・ありがとうございます。」
「・・・。」
ふわっと笑うニノ。
かわいくて・・・たまらない。
ねぇ・・・ニノ。
他に一緒に見たい人・・・いないの?
俺以外いないってこと?
俺にとっては特別なセリフだったにもかかわらず。
ニノはフツーの顔している。
うん。
そう。
今なら聞ける気がする。
って言うか・・・聞くなら今しかないような気がする。
俺は・・・さりげなさを装い聞いた。
「この間・・・。」
「・・・はい?」
「あの雪の日・・・。」
「・・・。」
「翔君に送ってもらったでしょ。」
「ぁ・・・はい。」
「あの時さ・・・なんか翔君のこと苦手って言ってたでしょ。」
「・・・。」
「あれ・・・さ。なんか・・・あったの?」
「・・・。」
あまり顔色が変わらない。
それを見てちょっと安心する。
ニノの中で。
何かイヤなことがあったとか。
特別凄いことがあったとか。
そういうことじゃないみたいだ・・・と。
想像ができたから・・・だ。
わざとなのか。
軽く口をとがらせたニノ。
そんな顔も。
かわいくてたまらない。
「何かがあった訳じゃないんですけど・・・。」
「・・・。」
「なんか・・・櫻井先生って・・・。」
「・・・。」
「含みを持たせたような言い方・・・するんですよね。」
「・・・含み?」
「はい・・・俺わかってるよ・・・みたいな感じで・・・。」
「・・・。」
「僕の言いたいことも聞かずに・・・はいはいってあしらわれるような・・・。」
「・・・。」
「イメージですよ?そう言われた事はないですから。」
「・・・。」
「でもなんか・・・僕の思い過ごしかもしれないんですけど・・・。」
「・・・。」
「子供扱いされてるみたいで・・・。」
「・・・。」
「だから・・・苦手・・・ぁ・・・。」
「・・・あ。」
暗いから気づかなかったけど。
角をまがって進んだその先。
自販機の前に人影があった。
で・・・それは。
よく見ると。
「あれ?智君・・・ニノ?」
「・・・。」
まさに。
今話の中心だった翔君がそこにいて。
だから・・・ちょっと驚いた。
さらには・・・手に持っているそのコーヒーは。
それは。
ニノの好きなコーヒーだった。
「なに・・・二人お揃いで。」
「コーヒーを買いに来たんです。」
「二人で?」
「・・・はい。」
「一緒に?」
「運動不足だからちょっとでもその解消にと思ってニノと来たんだ。」
翔君とニノのやりとりに口を挟む俺。
なぜか早口になる。
ニノは。
もう話は終わり・・・とばかりに自販機に小銭を入れている。
軽く・・・翔君の存在を無視しているような様子に。
やれやれ・・・と思う反面。
そんなニノですら。
かわいくてたまらなくなる。
って言うか翔君。
いつからニノって呼ぶように・・・。
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つづく