大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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それは・・・例えあったとしてもなかなか言えないだろうし。
それに・・・そういうのって医者の個性だったりするし。
やり方とか・・・それぞれが長い経験で確立してきたことだから。
だから・・・そういうのを短所として否定するのって・・・ちょっと違うような気がする。
「俺の短所が言いにくいならさ・・・他の医者はどうやってるか・・・とか。」
「・・・。」
「そう言うのでもいいんだけど。」
「・・・。」
なんか・・・うん。
櫻井先生は。
心が広いのかもって・・・ちょっと思った。
あるいは・・・本当にすごい向上心と好奇心があって。
さらには・・・チャレンジ精神みたいなの?そんなのがあって。
だから・・・例えば人のいいところとかは。
取り入れよう・・・と思っているのかもしれない。
「ぁ・・・あそこ・・・あの左側のグレーの建物です。」
「・・・あの角の向こう?」
「はい。あれです。」
「・・・ん・・・。」
あまり高層ではないマンションの3階。
そこが僕と大野先生が暮すマンションだった。
もう・・・すぐについてしまって。
ちょうどマンションの出入り口のところに車を停めた櫻井先生。
シートベルトを外し。
僕が・・・ありがとうございました・・・と言おうとしたら。
「ねぇ・・・他の医者はオペ中どうなの?」
・・・と。
さっきの質問を櫻井先生が繰り返した。
答えるまで。
僕は帰れないらしい。
浮かしかけた腰をもう一度シートに沈め。
僕は・・・考えながら答え始めた。
「オペ中・・・医者の先生たちは・・・。」
「うん。」
「その・・・患者さんを人として見ていない時ありますよね。」
「・・・。」
「いえいいんです・・・責めてるとかじゃなくて。」
「・・・。」
「それは必要な事だと思うんで・・・いいんですけど・・・。」
「・・・。」
「そうじゃない先生もいて・・・。」
「・・・。」
「その・・・瞳から温かさが消えないって言うか・・・。」
「・・・。」
「そういう先生とのオペは・・・。」
「・・・。」
「だから・・・こっちも思いが乗るって言うか・・・。」
「・・・。」
「その先生のためにもオペを成功させたいって思うっていうか・・・。」
「・・・。」
「あ・・・その先生に限らずオペの成功はいつも願ってますけど・・・。」
「・・・。」
「その・・・。」
「・・・。」
「えと・・・上手く言えないんですけど・・・。」
「・・・。」
僕は。
何を言おうとしているのか。
着地点が見当たらず。
モゴモゴしてしまった。
「気持ちの問題ってこと?」
「・・・はい・・・まあ・・・そう・・・です・・・。」
そんな。
一言で表せられる事じゃないんだけど・・・でも。
上手く言葉が出てこない。
「なるほどね。」
「コトの良し悪しの問題ではなくて・・・。」
「・・・。」
「そういう先生もいるっていうか・・・。」
「それは・・・。」
「・・・。」
「智君の事?」
「・・・。」
はい・・・と。
言えばいいのに。
なぜか・・・言えなくて。
でも図星で。
だから。
ちょっと間が空いてしまったけど。
僕は言った。
「は・・・い・・・そうです。」
「なるほどね。」
「・・・。」
「まあ俺も・・・この間智君のオペ見て・・・。」
「・・・。」
「それはちょっと思ったなぁ・・・。」
「・・・。」
やっぱり見てたんだ。
って言うか。
思ったんだ。
そう・・・だよね。
僕が気づく事なんて。
櫻井先生が気づかない訳ないんだ。
「昔からさ・・・優しいんだよね・・・智君は。」
「・・・。」
「だから・・・すごくもてたし。」
「・・・。」
「今だって・・・もてるでしょ?」
「・・・。」
.
つづく