大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~
僕は。
返事に困った。
多分・・・もてない訳ではないと思うんだけど・・・でも。
もててるって言うには・・・ちょっと違う気もするし。
って言うか・・・大野先生。
もてたの?昔?
それはいつの・・・
「ごめん・・・長く引き留めて。」
「ぁ・・・いえ・・・ありがとうございました。」
櫻井先生のそのセリフに。
いつまでも座っている自分が急に恥ずかしくなり。
聞きたい事はあったけどそれを胸にしまい込んで。
僕は助手席の扉をあけた。
って言うか・・・引き止めたのは櫻井先生の方だし・・・と突然気づき。
別に僕は悪くない・・・と思い返し堂々と車から降り始める。
その途中・・・僕の背に櫻井先生が声を投げる。
「ねぇ・・・やっぱり脳外科に来て・・・」
「行きません。」
「だよね・・・。」
顔も見ないで答えた。
意外にしつこいんだな・・・なんて思いながら。
まだ・・・雪が降っている外に降り立つ。
車から少し離れたところで見送ろうと立っていると。
助手席の窓が開いて。
運転席から櫻井先生が僕を呼んだ。
「ニノ。」
窓から僕を覗き込む。
「そう呼んでいい?」
「いいですけど・・・。」
そんな許可いらないのに・・・と思いつつ。
でも言われず突然呼ばれたらむっとするかも・・・と思い直し。
一応了解する。
・・・と。
ぬっと手が伸びて来て。
櫻井先生が言った。
「じゃあ握手。」
「・・・。」
「・・・。」
「何の握手ですか。」
「ん~・・・仲直り?」
「別にケンカしてたとかじゃ・・・」
「いいから・・・ね。」
空中で櫻井先生が。
まるで握れ・・・と言わんばかりに手をヒラヒラさせる。
しかたなく近づき・・・伸ばす手。
シートベルトしている櫻井先生が。
なぜか右手を差し出すから。
僕からは遠い。
窓から少し助手席に乗り込むようにしてその手を握ろうとした。
・・・と。
「ちょ・・・わ///。」
ぐん・・・と手首をひかれ。
上半身が窓から車へとのめり込む。
もう片方の手で助手席のシートについてバランスをとったけど。
片足が・・・ピョン・・・と浮いた。
「ちょっ・・・!あぶな・・・」
「気づいてないんだね。」
「はぁ?」
少しつんのめった体勢の僕の頭上から。
降って来る櫻井先生の声。
気づいてないって・・・なに?
見上げると。
意外にも・・・優しい顔をしていて。
軽くケンカ腰だった僕の気持ちはちょっとだけ萎えた。
「自分の気持ち。」
「・・・。」
「気づいてないんだね。」
「自分の気持ちって・・・。」
「じゃあね・・・おやすみ。」
「・・・。」
「ゆっくり休んで。今日はありがとう」
そう言うと僕の手を離し・・・前を見る櫻井先生。
僕は・・・しかたなくズルズルと・・・体を引き後ずさり。
窓から外へと出た。
・・・と同時に。
エンジン音がして・・・さっと・・・走り去る黒のセダン。
見送るつもりもないのに僕は立ち尽くし。
そのテールランプを見えなくなるまで見ていた。
って言うか。
なに。
自分の気持ち?
気づいてないって・・・どういうこと?
何の話?
脳外科に行くとか行かないとか・・・そのこと?
いや僕は。
気づくも何も・・・脳外科には全然行く気もないし。
なんか・・・うん。
ちょっとは好ましく思った櫻井先生だけど。
やっぱり。
相性が悪い。
って言うか・・・うん。
苦手だ。
言いたいことだけ言われて。
僕の言う事を聞いてくれない。
横柄・・・とはちょっと違うけど。
何か含んだような言い方も。
子供扱いされてるみたいで。
好きじゃない。
あの時。
大野先生に子供扱いされた時は。
イヤじゃなかったのに。
・・・。
・・・。
さむ。
早く帰ろう。
僕は・・・ちょっと小走りになりながら。
マンションへと・・・入った。
.
つづく