Stand by you every moment~7-4 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
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大宮さんBL前提のお話です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

 

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Side.O

 

 

 

一応ナースステーションに声をかける。

 

年配の婦長さんで。

 

何か言いたげだったけど。

 

何も言わずにいてくれた。

 

昼間も来た個室に入る。

 

計器の音だけが聞こえ。

 

何もない殺風景な部屋なのは相変わらずだった。

 

もしかしたら。

 

身内の人と連絡がついたかもしれない・・・と。

 

そんな俺の想像は打ち破られ。

 

やはり源さん一人がベッドに横たわっていた。

 

計器を確認する。

 

今夜が山場・・・とは言ったけど。

 

きっと持ちこたえることはないだろう。

 

隅に置いてあったパイプイスを。

 

ベッドサイドに引っ張ってきて・・・座り。

 

源さんの顔を覗き込んだ

 

ひげは生えたままだけど。

 

顔はだいぶキレイにしてもらったようで。

 

思ったよりも若いことに気付く。

 

身元を確認するものがないから。

 

年齢もわかっていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時計を見る。

 

3時半を過ぎた頃だった。

 

我ながら・・・一体俺は何をしてるんだろう・・・と思う。

 

医者がこんな事していたら身体が持たなくなる。

 

それは・・・理性ではわかっているつもりだけど。

 

どうにも・・・落ち着かなくて。

 

感情が納得しない。

 

それで・・・眠れずに。

 

いや・・・正直・・・数時間はちゃんと眠ったけど。

 

ふと目が覚め。

 

気付いたら源さんの事ばかり考えていた。

 

正確には、

 

人が死ぬ・・・ということを考えていた。

 

生まれた時はきっと。

 

おめでとう・・・と言われて生まれてきたはずなんだ。

 

だから。

 

その生を終える時にも何か・・・言葉をかけるべきなんじゃないのか。

 

一人で生まれてきたわけじゃない。

 

だとしたら最期も一人では逝かせたくない。

 

そんな事を考え始めたら。

 

居てもたってもいられなくて。

 

気付いたら家を出る準備をしていた。

 

ニノ。

 

起こしてしまったけど。

 

ちゃんと眠っているだろうか。

 

ふと・・・自分の手を見る。

 

思わず触れた・・・その髪。

 

ニノは。

 

どう・・・思っただろう。

 

そんな事思いながら。

 

ただじっと座っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらいの時間が経ったか。

 

空がかすかに白み始めて。

 

窓からの景色に輪郭が付き始める。

 

見ると・・・源さんの呼吸がかなりゆっくりで。

 

酸素も低くなってきた。

 

もう・・・多分。

 

・・・。

 

・・・。

 

そう思って見ていると。

 

す・・・っと。

 

個室の扉が開き。

 

少し明るい廊下から。

 

・・・。

 

・・・。

 

ニノ。

 

ニノが・・・静かに入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ・・・。」

 

 

 

持っていたビニール袋から。

 

静かに手渡されたのは・・・あったかいお茶のペットボトル。

 

そのまま・・・何も言わないまま。

 

隅に置いてあったパイプイスを引っ張ってきて。

 

俺の隣に座った。

 

眠るように・・・と言ったはずなのに。

 

今日は大事なオペだから。

 

だから・・・。

 

 

 

「ちゃんと寝ました。」

 

「・・・。」

 

「寝足りたんです。」

 

「・・・。」

 

「ホントです。」

 

「・・・。」

 

 

 

まだ何も聞いていないのに。

 

まるで子供みたいに一生懸命に俺に言うニノ。

 

まっすぐに俺を見つめる瞳。

 

強い輝きが。

 

「生」を感じさせて。

 

まぶしくて目を細める。

 

言いたいことはある。

 

でも。

 

もう・・・来てしまった以上。

 

帰って眠れ・・・と言ってもしかたない。

 

後悔するとしたら。

 

あの時スマホを落としてしまって。

 

ニノを起こしてしまった自分に・・・だ。

 

 

 

「寒くない?」

 

「はい・・・大丈夫です。」

 

 

 

来てしまった事にはもう触れずに。

 

二人・・・静かに座っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきよりも部屋が暖かく感じるのは。

 

きっと昇り始めた太陽のおかげなんだろうけど・・・でも。

 

俺は。

 

隣にいるニノのおかげだ・・・とそんな風に思えた。

 

そう・・・思えたら。

 

思わず感情が口を突いて出た。

 

 

 

「甘いよな・・・俺。」

 

「・・・。」

 

「わかってる・・・こういうこと・・・医者の俺がすべきじゃないって。」

 

「・・・初めて・・・ですか?」

 

「・・・ん?」

 

「こういう・・・その・・・ホームレスの人を診たのは。」

 

「・・・そう・・・だな・・・初めて・・・だな。」

 

「・・・そうですか。」

 

 

 

そう。

 

初めてだと思う。

 

アメリカでは郊外の病院に勤めていたから。

 

ホームレス自体がいなかったし。

 

日本で勤務している時は病棟勤務だったし。

 

こうして・・・救急に来て初めてこういった事を体験した。

 

 

.

 

 

つづく