大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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ゴトン。
何かの鈍い音で目が覚める。
枕元のスマホを見ると。
夜中の三時を過ぎたあたりだった。
かすかに・・・リビングの方から気配を感じる。
・・・大野先生?
トイレかとも思ったんだけど。
何かの勘が働いて。
僕は・・・そっとベッドから起き上がった。
静かに扉をあけると。
煌々とついているリビングの明かり。
その奥には大野先生がいて。
上着を・・・ちょうど羽織っているところだった。
「・・・先生?」
「・・・ぁ・・・ごめん・・・起こしちゃった?」
「・・・。」
「・・・スマホ・・・落としちゃって。」
もう。
完全に・・・出かける準備万端の大野先生。
多分・・・向かおうとしているのは病院。
間違いない。
きっと源さんのためだ。
医者として。
ここまでしてあげる必要はないんだろうけど・・・でも。
大野先生はきっと一人の人として・・・源さんを放っておけないんだと思う。
優しい大野先生。
そんな大野先生を。
僕は・・・放っておけない。
「源さんですよね。」
「・・・。」
「僕も行きます。」
「いやいいんだ。」
「・・・。」
「俺が一人で行ってくるから。」
「でも・・・。」
「ニノは明日大事な手術だろ?」
「・・・。」
「これは・・・俺のわがままだから。」
「・・・。」
「わかってるよ・・・ここまでする必要はないって・・・。」
「・・・。」
「でも・・・。」
「・・・。」
「俺の気が済まないんだ。」
「・・・。」
「だから俺一人で行く。」
「・・・。」
「ニノはちゃんと寝て。」
そう言うと。
さらっと・・・大野先生が僕の髪をなでた。
その・・・子供扱いされた感じが。
不思議とイヤではなくて。
逆に守られているような・・・妙な錯覚に陥る。
僕を見つめる真剣な瞳。
普段は感じない歳の差を。
突然感じた瞬間だった。
大野先生が出て行った玄関の鍵を閉める。
本当は・・・すぐにでも追いかけたいんだけど。
ちゃんと寝て・・・と言われた言葉を。
どうしてか・・・守らなくちゃいけないような気になってしまって。
あの一言が・・・僕を思いとどまらせていた。
トイレに寄り。
そのまま・・・寝室へ向かってベッドに横たわる。
今頃大野先生は。
足早に・・・寒い中。
病院へと向かって歩いている。
あ・・・マフラーしてたかな。
手袋は・・・持ってる?
せめて温かい格好を。
ちゃんとできているかぐらい気にしてあげればよかった。
・・・。
・・・。
目がさえてしまって。
眠るどころではなかったけど。
僕は目を閉じた。
視界が遮断されると・・・他の感覚が研ぎ澄まされる。
今は・・・聴覚。
聞こえるのは足元の加湿器の音。
大野先生が・・・もらいものだけど・・・と言って僕にくれた加湿器。
元々ある古い方を大野先生が使い。
もらった新しいものを僕にくれた大野先生。
先生。
もう病院に着いた?
・・・。
・・・。
僕はそこで考えるのを止めた。
眠らないと。
眠れそうにないけど眠らないと。
そう自分に言い聞かせ。
寝返りを打ち。
窓に背を向けた。
明日は雪。
そんな天気予報を・・・なぜか思い出しながら。
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つづく