「ダチョウ牧場」を母と妹が探しに行ったら ♪ | あんねてのきもの日記

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ふだんのきものについて、出会った花々についてあれこれをつづります。

                                

 (昨日の続きです)【認知症の母が4年前に盛んにしていたダチョウ牧場の話(うちの持ち山を勝手に伐り開いて小屋を建てダチョウを10羽飼育している。その人は見知らぬ人で、小屋の横に藁葺きの母屋も建てて住んでいる)】

 

 母は弟と二人暮らしで、弟は昼間会社勤めがある。車で20分ほど離れた所に住んでいる妹が週一回ほ実家に通って、家の掃除などをしていた。通院のお世話も妹の役目。

 

 

 しばらくして妹が母を認知症外来に連れて行った帰り「ダチョウ牧場を見に行かんか?」と突然母が誘ったそうだ。それで妹が付いて山に登って行った。母がここと言った場所には何もなくて、普通に木が茂っていた。母は戸惑って、場所を思い違いしていたかもしれないと言って別のところに移った。そこにも無くて……2時間ほど山をさまよったが結局見つからずに帰ってきた。それ以後、母はダチョウ牧場の話をぷっつりしなくなったそうだ。

 

                                        

 

 

 ところが、それから半年ほどして私が帰郷した際、母からダチョウ牧場の話が出た。ディテールは以前と全く同じで、ダチョウの飼い主が今回は実名になっていた。

 

 その実名、某氏は村の空き家を購入して土日だけ町から通ってくる人である。母は、竹の子だ蕗だとその方にお裾分けしていたようだが、山奥に入って勝手に蕨、ぜんまい、きのこ、柿、柚子、山百合の花などを採っていくと言ってこぼしていた。おそらく某氏は山には所有権があることなどご存知なかっただろう。

 

 某氏の名前が出たので、ダチョウ牧場の話がなぜ生まれたのか、よく分かった。そうか、日頃この人に自分の権利を侵害されていると被害者意識を抱いている母が作り上げた妄想だったのだ。

 

 それにしても半年以上しゃべらなかった内容を、よく細部までそっくりに覚えているものだ。自分の内部では常に反芻していたのであろうか。話しは面白かったが、そのしこりの深さを思うと母が可愛そうな気がした。

 

              

 

                           

                                             ダチョウ牧場の話をしていた頃の母と畑

 

なつです、いつもご訪問ありがとうございます。                 

 

 

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