知症の母の傑作話、「ダチョウ牧場」その1 ♪ | あんねてのきもの日記

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ふだんのきものについて、出会った花々についてあれこれをつづります。

                            

                     母のイメージの「ダチョウ牧場」は、たぶんこんな所にある

 

 昔、別のブログに書いたけれど、母が亡くなって懐かしく思いだしたので、もう一度書いてみる。

 

6年ほど前から認知症を患っていた母が、4年前に私が帰省した時、面白い話を聞かせてくれた。

 

 ある日、畑から戻ったら庭に大きなダチョウが一羽坐っていた。びっくりしておまえはどこから来たんだと聞いたら、立ち上がってゆっくり山の方に歩き出した。後を付けて行くと、どんどん山を登っていって、うちの持ち山のてっぺんに着いた。そこにはダチョウの飼育小屋が建っていて、他に9羽もダチョウが飼われていた。うちには何の断りもなく木を伐りたおして空間を作って大きな藁葺きの母屋も建っていた。けしからん話だ。

 

                  

                      上方、グレーに見えている山のてっぺん辺りにダチョウ牧場があるらしい

 

 家族に話したが取り合ってくれないので、一度駐在さんに来て確認して貰ったけど、その後駐在さんは何の対処もしてくれない。ひとごとだと思ってけしからん、とまだ怒っている。

 

          

                   山の登り口      

 

 私「その母屋にはどんな人が住んでいるの?」
 母「知らん、いつ行っても留守で見たことない。」
 私「じゃあ、今度待ち伏せして、ここはうちの山だから勝手に家を建てられた   ら困るって抗議してみたら」
母「婆さんがひとりで抗議に行っても、追い返されるにきまっている。」
私「そうか、じゃあ、卵産んでいたらこっそり卵もらってくれば。相手が勝手にこちらの権利侵しているんだから、卵くらいもらってもいいでしょう。それか、今度ダチョウが家に迷い込んできたら、一羽くらいうちにもらったらどう?」
 母「……」

 

私は初めての話で、笑い転げて聞いたが、2ヶ月くらい前から何度も聞かされているという家族は、うんざりしていた。(明日につづく)


なつです、いつもご訪問ありがとうございます。                          

 

 

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