風街レジェンド 小坂忠さまから | ・・・の続き

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エヴァ・オーリンも、ペ・ドゥナも、まとめて好き。

茂さん・佳孝さんまで書いたのち、怪我を負い長文を打てず。はやレジェンドから1ヶ月。
不思議な1ヶ月。あの二夜が遠い遠い過去のような、でも続いているような気持ち。レジェンド前は、終わったら抜け殻になるもんだ、さみしいSeptemberになるもんだ、と過去の風街イベントでの経験から勝手に思い込んでいた。しかし。生レジェンドの抜け殻の輪郭は日に日に拡張。「ライブは終わった」のに、その輪郭の中に入ってくるものが濃密で満ちてる。充ちてる。新曲のニュースもあったし。良かった。こんな気持ちになるなんて。最後に書こうかな、と思っていたけど、あの二夜でわたしが40年近く聴いてきたものが全肯定されたような気がして。いい時にいい歌を聴いてこられたしあわせ。並行してきいてきたものが、そこで「風街」の点線の輪郭の中に入っていた発見と確認。ちいさいときに自分ではじめて選んだレコードが「ポケットいっぱいの秘密」だったのだから、しかたがない。出発点の「点」はほんとそこ。自慢。

ライブの記憶。
茂さんの「砂の女」のあと。
待っていました。すっごく楽しみにしていた小坂忠さまの「しらけちまうぜ」ああすてき。かっこいい、すてき、細野さんの旋律に小坂さんの節回しがぴったりと合う。いまもいろんな若いひとがコレを歌唱され続けているのもうれしいけど、やはり忠さまのボーカルで聞けるよろこび。美しいコーラスとぴったり、演奏ももちろんぎらぎらすばらしく。聞いているこちらは、タイトルは真逆の「浮かれちまうぜ」な感。どうしてくれよう。

2日目はこれにわたしが大好きな「流星都市」が加わる。1日目おわってから風街ソングブックを封印して、そこに「流星都市」をみたときの歓喜。2日目に聞けるの?うれしくてうれしくて。このメロディと歌詞と各所楽器の聞かせ方の世界が大好きで。ほんとくどいけど好き。スクリーンには「いつもくびったけ 君にくびったけ 朝までひざまくら うとうとさせて」と文字でみせてくれる。うっとりする名曲。

ステージにグランドピアノがまた登場。矢野顕子さん。2014年暮れに矢野さんとティンパンのステージでも「アグネスコーナー」があり、演奏する「想い出の散歩道」「ポケットいっぱいの秘密」2曲をそこで予習していたので今回はびっくりする衝撃はなかったのだけど、予想外に自分を振り返る時間となっていた。「オモイデ」という言葉は「思い出」という漢字しか知らなかった70年代を小学生としてすごしたわたし。たぶん歌本で「想い出」という文字を知り、とてつもなくオトナになった気がしていたな、とか。きっと松本作品の歌詞をみて知ったと思っている。心の上が「田」じゃなく「相の心」。とてつもなく繊細な「おもい」の存在を知ったのも歌だ。弾き語りの「想い出の散歩道」
鍵盤の音を時折鳴らしながらの矢野さんのMCも歌のようで。当時の"想"い出、松本さんの歌はいつ聴いても自分がその世界にいる「今」、心をこめて今回アグネスを歌う理由。「松本さんにとって、これが最初のヒット曲。ポケットいっぱいの秘密」。風街ばんどが加わる。この歌以前は、オリジナル曲に忠実なアレンジのステージだったが、ここで矢野さんのハミングで華麗に破壊(褒めています)。楽しかった。

その後の吉田美奈子さんでわたしは何度も三途の川を渡り歩いている自分を知るのだ。