こんにちは、奥村@アメリカです。
先日のメルマガに、読者の方から
こんなコメントをいただきました。
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アメリカ、
お金がないと生活できない
と思われがちですが
お金がない人たちは、
コミュニティーや人間関係で
いろいろな課題を乗り越えています。
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あ〜これは確かに、
アメリカに住んでいると
「そうだよね〜」って
うなずける話なんですけど、
日本から見ると
「え、本当に?
そんなことで生きていけるの?」
って思うかもしれません。
でもね、
これって単に
「助け合い文化が強いから」という
きれいな話じゃなくて、
もっと現実的でシビアな理由があるんですよ。
アメリカって、
日本みたいな国民皆保険制度もないし、
介護も教育もほぼ自己負担。
医療費も高いし、老人ホームは月60万円〜。
災害支援も遅いことが多い。
健康保険も、雇用主の補助がないと
月6〜9万円は当たり前で、
しかも自己負担額(デダクティブル)が
年間45〜110万円かかることもあります。
つまり保険に入っていても、
大きな病気や入院になれば
年間150〜200万円が一瞬で飛ぶことも
珍しくありません。
だから「困ったらまず行政」
って発想はほぼ通用しない。
必然的に、
家族・友人・教会・地域のネットワークが
生活のセーフティネットになります。
歴史的にも、移民同士の助け合いや
キリスト教の「隣人愛」が根付いていて、
困ったときはごく当たり前に
誰かが手を差し伸べる文化が育ってきました。
例えば、私の知り合いのご家族の話。
娘さんが若くして亡くなってしまったんですが、
貯金がほとんどなかったんです。
日本だったら
「え、葬式代ぐらいはあるでしょ」
と思うかもしれませんが、
アメリカではそうじゃない家庭も
珍しくないんですね。
そこで使われたのが
GoFundMe というクラウドファンディング。
「葬儀費用を助けてください」
とページを立ち上げ、
友人や知人、
時には見ず知らずの人からも
寄付が集まりました。
これ、日本では
あまり想像できない光景だと思います。
でもアメリカでは、
医療費、家賃、学費、災害支援、
そして葬儀費用まで、
クラファンで集めるのは日常的なんです。
アメリカの濃いコミュニティは、
美徳や優しさだけでできているのではなく、
制度が弱いからこそ必要だった必然の産物でもある。
そして、
それが時に人の命や暮らしを
救ってきたことも事実です。
あなたの周りには、いざという時に
助けてくれるコミュニティがありますか?
そして、
あなたは誰かを助けられる立場にありますか?
制度がある日本でも、
こういう「人とのつながりによる保険」を
意識的に作っておくことは、
これからの時代
ますます大事になるかもしれませんね。
ではまた!