日本のイールドカーブに見るデフレ危機【金融・経済】 | 学びの冒険者 原口直敏Side←L "The Logical Brain Monster"

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米国の逆イールドより、実は日本のイールドカーブの方が

危機的状況を示しているのですが、

日本のメディアや評論家はなかなか報じない。

 

トップの図は図は米国のイールドカーブ。

1年前は右肩上がりのイールドカーブでしたが、

一ヶ月前にはほぼ横一直線になっていますが、

これをイールドカーブのフラット化と言います。

 

で、このフラット化の主な原因である短期金利が

なぜこんなに上がってしまったかと言うと、

FRBが政策金利をこれだけ上げたからです。

短期金利はFRBの政策金利とほぼ連動するので、

このような形になります。

トランプ大統領がFRBに文句を言うのもわかるでしょう。

 

そして、このフラット化した状態でブレグジットショックです。

 

「そりゃ、逆イールドにもなるでしょう」

 

と、言うのが妥当な捉え方だと思いますけどね。

 

一方、日本のイールドカーブはどうなっているのでしょうか?

 

 

まず、縦軸の目盛りが違います。

そして、10年物までの金利が0%を割り込んでいます。

確かに、右肩上がりではあるけど、こっちの方が重傷でしょう。

金利が低過ぎ。

日銀の金融緩和のせいだと言う方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに、マイナス金利の部分は確かにそうでしょう。

しかし、最初の量的質的金融緩和を実施たのは2013年4月ですが、

その前から長期金利は下がっていました。

明らかにデフレの影響だと考えています。

 

供給能力があっても需要が無いデフレギャップ。

日本は「プライマリーバランスだあ!」と叫び続けて

緊縮財政を続けているので、

結局この状況を抜け出せません。

 

金融緩和をして利息が下がっても

需要が無いのに無駄な設備投資をするバカ社長もいないでしょう。

普通は無駄な投資は極力避けるはずです。

 

似たようなイールドカーブを描いている国がもう一つあります。

 

 

ドイツです。

この国も低金利ですね。

ただ、日本とはちょっと事情が異なります。

ドイツはEU加盟国と言うかEUのボスなので、

自国の都合だけで金融引き締めを行う訳にはいきません。

 

例えば、同じEU加盟国のイタリアを見てみましょう。

 

 

ドイツとは全然違いますね。

金利がメッチャ高いです。

 

こういうところを見ても、異なる国で同一の中央銀行が発行する

統一通貨を使うことがどれほど無茶なことなのかがわかります。

 

こういう風に色々な国と比較して解説してくれるメディアが無い以上、

自分で調べるしか無いのが残念ながら我が国の現状です。