LOVE PHANTOM 12 | 一期一会

一期一会

本も人の出会いも一期一会。時々読者、時々物書き。好きな本やコミック感想を中心に、日常のつれづれと共につぶやいていきます。

    12



「いいねぇ。貴方のそんな顔もなかなか素敵だよ。本当なら僕と貴方の仲を邪魔するものは始末したいけれど、どうしても貴方が弟さんも一緒がいいと言うのなら、仲間にしてあげてもいいよ。どうせこの先長いんだから。暇つぶしするには仲間が多い方がいい」
「仲間?兄さん。ボクもヴァンパイアにするって相談なの?」
二人の会話を聞いていたレオナルドはそう理解すると、ウィリアムにすり寄った。
「ボクも仲間にして!」
「……レオ?」
「ボクは兄さんと離れたくない。兄さんと一緒にいたい」
真顔でそう詰めかけるレオナルドは必死だった。
普通の願い事なら、レオナルドが望む事はなんでもかなえてあげたい。
『オレが兄ちゃんだからな』それが今までウィリアムがレオナルドにとってきた態度だが、今回ばかりはすぐに頭を縦に振る事は躊躇われた。
ウィリアムだって今の状況をよくわかっていないのだ。
この屋敷に侵入してわずか一、二時間経たない出来事なのに、ハイデリヒの話だと自分は人間でなくなり、代わりにヴァンパイアになってしまったと言う事を、そう簡単に理解する事など無理な話だ。
自分だってまだこの先、どんな変化が身体に現れるのかよくわからない。先程だって一時的だが、体中がしびれて、身体が枯渇して痛くて失神してしまうほどだった。あんな苦しみをレオナルドには味わわせたくない。
「大丈夫、あの痛みを超えられたのなら、もう痛くもかゆくもないよ。食事も必要ない。たまに人間の血を吸血できればだけどね」
ウィリアムの心配事を先に言い当てるようにハイデリヒが先に答える。
「あと……重要なのは五十年周期で休眠期間がレオことぐらいかな」
「五十年周期?」
「そう。五十年間過ごして、また次の五十年間棺の中で静かに眠る。この繰り返しで僕達は永遠の若さと永遠の命を繰り返すんだ」
ハイデリヒはどこか遠くを見つめながら答えた。
急性すぎるできごとを、どうにか理解しようとウィリアムは考える。もしハイデリヒの言葉通り自分がヴァンパイアになってしまったのなら、愛する弟を自分の仲間にする事などできない。
「ダメだ……絶対にダメだ」
「兄さん、どうして?ボクは兄さんと一緒がいい」
レオナルドは譲らない。
「何度言ったらわかるんだ。ヴァンパイアになったら最後、二度と人間には戻れない。歳もそのまま、永遠に生きなければならないんだぞ」
「……いいよ。永遠に兄さんと一緒にいれるのなら。二度と人間に戻れなくてもかまわない」
「……レオ」
ウィリアムは、愛しい名前を呼んだ。



to be  continued……