ミンボッキ演出の『コギ』大阪滞在稽古と本番を終え、今週金曜から東京公演が始まる。
『コギ』は、韓国で何度もロングラン公演された、劇団チャイムの作品。
今回は劇団代表のミンボッキ兄が来日して演出しており、その劇団チャイムはあのソンガンホも所属する韓国の小劇場の老舗劇団だ。
僕の認識では(韓国で6-7本くらいしか観劇してないが)『コギ』はとても韓国らしい作品のように思う。
ミンボッキ兄は日本語が話せないので、通訳の方を交えるか、ほぼ英語でコミュニケーションをとることになる。
昨年も韓国人俳優との創作をしたので、多少慣れたこともあるのか、ほぼ、ミンボッキ兄の言ってることがわかる、と思っている。自分の勘違いや伝達ミスもあるが、それをやって見せることで少しずつお互い歩み寄ってゆく。
ボディトーク、だ。エロいのじゃなくて。ゆっくり時間をかけて身体と表情を使い摺合せていくことがとても面白い。
『Forget All!!』
と最後を締める。
言いたいこと言っただけだ、好きにやれ。
僕はこういう演出をあまり受けたことがなかったのでとても刺激的だ。
『どうせ最後は、舞台は役者と観客のものなんだからー。』
まあ、そうなんだけど。さ。
知ってるけど、さ。
『台詞も好きに変えていいよー』
えぇ、いいの?ほんとに?
『お酒は本物使って。僕は韓国の本番で6本のんだよ』
面食らった僕に
「なんで、ニセモノ使うのか。」
と真顔で問う。
なんじゃこりゃ??
はじめて言われることのオンパレードじゃ。
じゃ、好きにやるしかないわいな。
ミンボッキ兄と対面していると、ボディランゲージが基本となっていることも理由のひとつになっていると思うけど、
人間vs人間
みたいな心持ちになる。
演出・俳優であることよりも、「人間である」という感じが生まれる。とても興味深い現象で、今後、自分はよりそれを追い求めていくのかもしれないなと思ったり。
それを面白いと思うかどうかは、色んな意見があっていいし、ひっかかる部分があれば聞かせてほしい。なんか、そんな演劇だ。
自分等が真面目になりすぎないということが、この作品の大事な要素なんだと思う。
俳優として不安定なところで楽しみたい。
お客様にとっても、珍しい演劇体験になるはずだ。俳優や創作に携わる方が観ると、「演劇とは」「俳優とは」とさまざまに考える作品になっていると思う。
『コギ』日本版、ぜひご覧いただきたい!!
ご予約は↓↓