長生きするとでてくる? 脂漏性角化症=しろうせいかくか(かっか)しょう | ひふみのへや ~narimasu-hifuka~皮膚科専門医の備忘録〜

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皮膚科専門医(皮膚診=ひふみ)です。日々の診療で患者さんたちから学んだこと、主に「肌」・「皮膚」(ときどき「推し」)をテーマに綴ります。溢れる情報に溺れそうな時代ゆえ、信頼性の高いサイトも紹介します。
必要に応じ加筆/訂正することがあります。

脂漏性角化症

しろうせい⁻かくか(かっか)⁻しょう)

 

”脂漏部位”

背中や胸・額~頬・頭皮

に出てきます

 

初めはうっすらした

”シミ”だったものが多い

ようです

 

色は灰色~茶色~黒に近い焦げ茶色

概ねぷにぷにと柔らかめですが

時間が経ったものの一部は

表面が乾燥してひび割れたように

見えることもありますひ

 

ひふの ”おでき”

というよりは

加齢による変化

と言った方がしっくりくる感じがします

 

別名を

「老人性疣贅」

ろうじんせい‐ゆうぜい

と呼ぶこともありますが

元気すぎるシニア世代が

”老人”という言葉に過敏なっているため

近年では

「脂漏性角化症」 

と呼ぶことが多いです

 

もうひとつの呼び方として

「長生きいぼ」

というものもあり

「長生きだから出てくるんだよ~ 心配いらないよニコニコ

というニュアンスが伝えられそうなので

個人的には好きな呼び名です。

 

悪性化することはないので

 

病気としてとらえるよりも

白髪や皺と同じ系列に並べて

受け止めていただくのが”吉”

 

受診される皆様は

ほぼほぼ

美容的な理由

・・・

知人やお孫さんに「なにそれ?」

と指摘された

 

美容師さんに気持ち悪い思いさせたら

申し訳ないので…

 

理容店で顔そりを断られた

・・・

などの

「見た目」を理由に受診されることが

多いです

 

大きさ、色、個数などを

総合的に考慮し

イメージに合った治療を

おすすめしています