なりあやの韓国シネマ留学記 -36ページ目

なりあやの韓国シネマ留学記

2017年、3度目の韓国留学。
ソウルの大学院で映画を勉強します!

お芝居見ながらこんなにポロポロ泣いたのは初めてかもしれない。

新宿三丁目の「SPACE雑遊」で上演中(6日まで)の「或る王女の物語~徳恵翁主~」見てきました。温泉ドラゴンさんの公演です。

 

 

徳恵翁主(トッケオンジュ、1912~1989)。

実は、ネタ出しした張本人がわたくしです(笑)

 

作・演出のシライケイタさんに別件で取材した際に、「秋に日韓モノで上演する予定なんだけど、何かない?」と聞かれ、うれしくて五月雨式にいっぱい提案しました。

その中で、真っ先に提案したのが、徳恵翁主でした。

 

日本ではほとんど知られていないと思いますが、朝鮮王朝最後の王女です。

韓国でも、わりと近年まであまり知られていませんでした。

 

わたしが徳恵翁主のことを知ったのは、2014年、ホ・ジノ監督の「危険な関係」の日本公開前のインタビューでした。最後に「次作は何か準備されていますか?」の質問に「トッケオンジュ。だいぶ前から準備してるけど、なかなか難しくて……」とおっしゃったんです。

 

その時は、漢字変換もできず、「トッケオンジュ???」っていう状態でしたが、帰って調べて、こんな人がいたのか、と。

 

皇帝高宗(コジョン)の娘で、幼い頃はそれはそれは可愛がられたそうです。

でも、生まれた1912年は日韓併合の2年後。

高宗が1919年に亡くなり、お姫様の運命も歴史に翻弄されていきます。

本人の意思とは無関係に日本へ留学、日本人と結婚、娘が生まれるも、徳恵自身は精神を病んで入院。終戦後も長く祖国に帰ることができず、娘は遺書を残して行方知れず。

 

シライケイタさんからは「徳恵翁主でやることに決めた」という連絡の後、「執筆にかなり苦しんでる」という連絡があり、ちょっと後悔しました。あまりにも軽々しく提案してしまった気がして。よくよく考えると、残された資料もほとんどなく、しかもあまりにも悲劇的な人生のため、暗すぎる話にしかならないのでは……と。

 

でも、今日の作品を見て、その心配は大きく裏切られました。

統合失調症だった徳恵自身の言葉はほとんど残っていないんですが、その頭の中の世界が、山幸彦と海幸彦の神話に重ねて楽しく描かれていました。

そしてそれが、ぴったり、徳恵と夫の宗武志(そうたけゆき)に重なる。

 

とっても楽しみにしていたホ・ジノ監督の映画「徳恵翁主」は今夏韓国で公開され、夏休みに見たのですが、正直、人間徳恵を描けていなかった気がします。歴史に翻弄されたというのは描かれていましたが、独立運動に絡めた部分などは、あまりにも徳恵とかけ離れている気がして、納得がいきませんでした。

 

そして今日初めて、「やっと徳恵翁主に会えた」という気がしました。

それでちょっと恥ずかしいぐらい泣けて泣けて。

 

シライケイタさん、ご出演の皆さん、ありがとうございました(´∀`)

 

徳恵翁主へのこだわりの理由は、もう一つありました。

ホ・ジノ監督が映画化するというので、母に徳恵翁主の話をしたところ、「なんかその話聞いたことある」と言って、思い出して話してくれたのが、母のヨガの師匠のお母さまの話。

 

そのお母さまは日本人ですが、植民地朝鮮で育ち、小学校のクラスに李家のお姫様がいたというのが、まさに徳恵翁主なんです。

お姫様がお箸を付けるまではみんな食べられなかったとか、具体的なエピソードも聞いていて、当たり前ですが、ほんとに実在した人なんだと親近感がわきました。

そのお母さまはご存命ですが、認知症で今はやりとりが難しいようです。もう少し前に知っていたら、取材させていただきたかった。でも、もしかしたら、写真とか、何か資料をお持ちかもしれないですよね。ちょっと今度、師匠に聞いてみたいと思います。

 

ネタ出ししておきながら、全然紹介ができずにスミマセン……いまさらですが、6日まで、ご都合つく方はぜひご覧になってください。

徳恵翁主なんてまったく知らないという方でも、オススメです!

今回、釜山国際映画祭に行くことになって、まずプログラムで目を引いたのが、「アジア映画の連帯を語る」というスペシャルトークでした。是枝裕和、イ・チャンドン(韓国)、侯孝賢(台湾)というアジアを代表する監督たち。特にイ・チャンドン監督は、わたしが最も尊敬する監督です。「ペパーミント・キャンディー」「オアシス」「シークレット・サンシャイン」。いずれも繰り返し見ましたが、毎回新たな発見がある作品たちです。

 

スペシャルトークと、その前に是枝監督のインタビューができたので、その内容は↓

 

http://www.asahi.com/articles/DA3S12619394.html

 

http://www.asahi.com/articles/DA3S12629825.html

 

ちなみに、わたしは自身は釜山国際映画祭と東京国際映画祭がライバルかどうかに興味はありません。毎回そういう視点の記事を求められることに疑問を感じています(´・ω・`)
文化にまで日韓の競争心を持ち込まないでほしい。少なくとも映画祭はそういう場ではないですよね……。互いに学べる部分があるとは思うので、そういう視点を願って書きました。

 

スペシャルトークの内容で、記事に入りきらなかった部分ですが、それぞれ次作について言及がありました。

 

イ・チャンドン監督

いつも準備をしていますが、今回は現実的に可能な準備です。うまくいけば11月に撮影に入る予定。内容をお伝えするのは難しいが、あえて言うならばミステリー。と言っておもしろいミステリーではなく、最近の若者の話。若者たちが今生きている世の中そのものが理解できないミステリーなのではないか。そんな意図で作る映画と言えます。

 

是枝裕和監督

今ちょうど脚本作りをしていまして、来年撮影をと思っています。しばらくホームドラマが続いたので、次は……イ・チャンドンさんがミステリーって言ったから、あえて言うけれど、サスペンス。ある殺人事件をめぐる法廷モノを準備しています。

 

それぞれ楽しみですね~
イ・チャンドン監督の「おもしろいミステリーではない」って自分で言っちゃうところが好きなんですよね(笑)カン・ドンウォン、ユ・アインが出るってうわさですが、どうなんでしょう。トークではキャスティングの話は出ませんでした。
是枝監督の法廷モノも、気になります。

 

釜山の報告は以上です。
まだ掲載されない記事がありますが……スミマセン。
釜山でお世話になった皆さま、ありがとうございました!
また来年も行きたいな~観客としてべったり映画を楽しんでみたい。

 

 

釜山国際映画祭、取材で行くと、残念ながらなかなか映画を見る時間がないんですよね。

今回は、取材のためもあって、かろうじてパク・チャヌク監督の「アガシ(아가씨)」を見ました。

 

 

アガシはお嬢さんの意味です。

キム・ミニ(写真の真ん中)が日本人のお嬢さん役。

日本では来年公開予定だそう。

世界176カ国で公開って、あり得ない数字ですよね( °д°)

聞き間違ったかと思って、聞き直しちゃいました。

韓国映画の歴代最多だそうです。

これまではポン・ジュノ監督の「スノーピアサー(설국열차)」の167カ国だったそう。

どっちにしても、すごすぎるわ。

 

ポスター見ても想像つくと思いますが、見た人に「気持ち悪い」と聞いていて、覚悟して見ました。

確かにちょっと気持ち悪いところがあるのは否定しないけど、全然気にならないぐらい、展開がおもしろかった!「だましだまされ」というのを知りながらも、全然想像もしていなかった展開で、それが二人の女性の愛と解放という、いい話に落ち着いて。

 

表現は、パク・チャヌク監督らしく、美しくも、どぎつい。性的描写も暴力的なシーンも、せりふも。でも、逆に観客にこびてないところに好感が持てました。好きなように作ったなぁ、と。監督の描きたい世界を一緒に作りあげる俳優陣はもちろん、スタッフも相当優秀なんやろうなぁ。

 

キム・ミニ(김민희)、ハ・ジョンウ(하정우)は、人気実力ともにトップの俳優ですが、印象深いのは、下女スッキ(숙희)役のキム・テリ(김태리)。映画界では新人だそうです。大抜擢ですね。ちなみにハ・ジョンウは詐欺師の伯爵役。違和感ゼロ(笑)

 

キム・テリ↓

 

 

かなり難しい役だったと思いますが、キム・ミニに負けない存在感。
映画界では、と書いたのは、演劇界で活動していたそうです。

舞台でも見てみたいな~

 

インタビューはプロデューサーに。

まだ出し所が決まってませんが、ただいま格闘中です。。