ミュージカル『ロザリー 』 | 奈良坂潤紀オフィシャルブログ「Narasaka Sacas」Powered by Ameba

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ミュージカル『ロザリー 』
本日バラシの作業も終わり全行程を終了しました

昨年の秋から公演準備で動きはじめたこの公演
総理大臣がイベント自粛要請を出した
2月の中旬からは時が永遠に感じる程の怒涛の日々でした。

僕は不要不急という言葉は嫌いです。
きっと衣食住だけではなく人が人であるためにそれぞれの大切なものは無限にあるはずです。

例え演劇が不急のものであったとしても
日々のささやかな心の支えや人生が少しでも豊かになるために不要なものではないと信じています。

これから何か困難な状況が起きた時、常に演劇が不要不急なものと認識されてしまうのならばこれは私達演劇人にとって悲しいことです。

正直たくさんのキャンセルも頂きましたがこのような状況の中、ご来場頂いたお客様の暖かさは胸染み渡りました。

今回、制作としてスタッフは全員マスク着用、ロビー四隅に扇風機と空気清浄機。
アルコール消毒を各所に設置し、アルコール消毒専用のスタッフ。
マスクをお持ちでないお客様には予備もご用意し、面会は取りやめ。出来る限りの対策で困難に立ち向かいました。
カーテンコールで客席一面、白いマスクで見守って頂けている景色は、愛以外の何者でもなく感謝の涙が湧いてきました

今週から公演再開する団体もありますが
お客様と共に対策を講じ、どんな時でも演劇を続ける可能性を探ることも演劇人の責務と感じています

様々なジャンルもあり一概には言えませんが、すぐに収束できる問題でもないので
お客様と感染予防の意識を高く持ち協力しあえれば演劇活動を継続していくことも可能な筈です

『劇場は社会を写す大きな鏡』という言葉がありますが

貴族と平民の格差。女性の社会進出。デマや噂の1人歩き。政策の無力さ…
この作品は決してフランス革命の遠い昔の話しではないのです。

革命という困難な時代に散っていったたくさんの運命の物語。
今この時期に上演させて頂いていたことも運命かもしれません。

とにかく最後まで演劇を愛していただけるお客様と感染予防の意識を高く持ち協力しあうこと。

まだまだ困難な状況は続きそうですが私達は演劇を諦めず安心して観て頂く最善の努力をこれからも続けて参ります。
コロナウィルスの恐ろしさ
それは人間の心の癒しであるライブや演劇の集まりを利用して拡散していく事。
そして経済活動を破壊し人と人の繋がりを懐疑的にしていくことかもしれません。

ロザリー は終幕に最愛の姉の忘れ形見ピエールを抱きしめ、今まで恨んできた神に感謝します…。

私達もこの公演を通し、演劇を愛し共に対策を講じて頂いたウィルスに負けないお客様の愛に出会えました

思いもよらぬ困難に直面しましたが
私もこの運命とお客様に深く感謝し
これからも演劇の道を歩んで参ります。