『全国温泉人気20湯』 第5回 和倉温泉・黒川温泉 | 奈良の鹿たち

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『全国温泉人気20湯』 

第5回

          ● (12位) 和倉温泉(わくらおんせん)

          ● (11位) 黒川温泉 (くろかわおんせん)

観光経済新聞社主催 「第37回(2023年度)にっぽんの温泉100選」

100選一覧はイントロページに

 

● (12位) 和倉温泉(わくらおんせん)

 

 

和倉温泉は、石川県七尾市和倉町に位置する温泉です。

開湯1200年とされる歴史の古い温泉は、北陸随一の海の温泉といわれている。

<温泉街>

能登半島東側の七尾湾南岸に温泉旅館・ホテルが並び、温泉街を形成しています。温泉街の中央にある弁天崎源泉公園からは、穏やかな波の上に架かる能登島大橋、真っ赤な夕日を浴びて鮮やかさを増す和倉港の絶景を一望できます。

<泉質・効能>

湧出量は1日約2618t、泉温約90℃、無色透明で高温で少し塩辛いのが特徴だ。飲用すれば胃腸病や貧血症に、湯に浸かれば神経痛やリウマチに効能があり、国内では珍しい海から湧き出る塩分が豊富な湯が特徴です。

ナトリウム・カルシウム塩化物泉。弱アルカリ性(泉源によっては中性)高張性高温泉。

<歴史>

平安時代に遡る開湯伝説があります。地名の和倉とは「湧く浦」、つまり湯の湧く浦(入り江)であり、海の中から発見されました。そのため、潮が退いている時でないと湯を利用することができなかったが、近世に七尾城主の畠山氏、加賀藩の前田氏によって温泉が整備され、共同浴場が置かれました。

温泉地として本格的に開発されたのは明治時代になってからであり、第二次世界大戦後になって交通アクセスの向上に伴い、温泉街も大規模化しました。高度経済成長期に入ると能登観光ブームが湧き起こり、その後七尾線の電化に伴い特急列車乗り入れが始まり、宿泊客が急増しました。

『旬刊旅行新聞』が主催する「日本のホテル旅館100選」にて「日本一の旅館」と言われる「加賀屋」の影響もあって、各旅館とも高級指向を全面に打ち出しています。

<アクセス>

和倉温泉駅

鉄道:和倉温泉駅(JR七尾線・のと鉄道七尾線)下車、車で5分・徒歩で25分。

バス:北鉄能登バス・能登島交通「和倉温泉バスターミナル」下車、徒歩5分。

新高岡駅・高岡駅より加越能バスわくライナー

大阪駅・京都駅・金沢駅より西日本JRバス北陸道グラン昼特急号「和倉温泉」下車。

車:能越自動車道 和倉ICから石川県道47号七尾能登島公園線経由で5分。

 

● (11位) 黒川温泉 (くろかわおんせん)

 

黒川温泉は、熊本県阿蘇郡南小国町にある温泉です。

阿蘇山の北に位置し、標高700メートルの山間に湧く、全国でも人気の温泉郷。

<温泉街

ここでは、30軒の宿と里山の風景すべてを「一つの旅館」と考え、それぞれの旅館は「離れ部屋」、旅館をつなぐ小径は「渡り廊下」というコンセプトのもと、温泉街全体でお客様をもてなす取り組みがされています。

田の原川の渓谷の両側に小ぢんまりとした和風旅館が建ち並んでいます。温泉街としては川の流れに沿って、東西に延伸しつつあります。渓谷にある温泉地であることから収容人数は少なく、統一的な町並みを形成する方策を採っているため、落ち着いた雰囲気を見せています。

<泉質>

硫黄泉 - 温泉街の比較的浅い(20メートルとも)地層から80度 - 98度の源泉が湧いています。

特徴的なのは温泉の泉質がそれぞれに違うということ。黒川温泉は歩いていける範囲の温泉街の中に7つの異なる泉質があります。

<歴史>

もともと阿蘇外輪山に位置する山あいのひなびた湯治場であり、旅館の経営体も20数軒で農家兼業が多かった。1964年に南小国温泉の一部として国民保養温泉地に指定され、かつ「やまなみハイウェイ」が開通したことで一時的に盛り上がりを見せました。しかし、休日以外は客足は伸びず、温泉地でありながら湯を楽しむ客よりも宴会客中心の状況が続きました。

お客様が求めているのは「あるがままの自然」だという結論にたどりついた黒川温泉の旅館主たちは、全員で協力して木を植え替え、温泉街に立てられていたすべての看板約200本を撤去しました。その結果、まち全体が自然に包まれたような風景が生まれ、宿には鄙びた湯のまちの情緒が蘇ったのです。

インターネットなどでも広がり、ゴーストタウン同然だった当温泉街が人気温泉へと変貌を遂げました。1998年に福岡の旅行情報誌「じゃらん九州発」の人気観光地調査で第1位となりました。2009年版ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで、温泉地としては異例の二つ星で掲載されました。

全国の温泉経営者や旅館組合関係者がノウハウを見学、視察に訪れるようになり、温泉手形による湯巡りは全国至る温泉地で模倣されるなど各地で同様の試みがなされています。

<アクセス>

· JR九州豊肥本線阿蘇駅から九州産交バス杖立温泉ゆきに乗車し「ゆうステーション」下車。小国郷循環バスなどに乗り換え「黒川」下車。

· 熊本駅・熊本桜町バスターミナルから九州横断バスに乗車し「黒川温泉」下車。

· 西鉄天神高速バスターミナル・博多バスターミナルから福岡 - 黒川温泉線(九州産交バスと日田バスによる運行)に乗車し「黒川温泉」下車。

· 九州自動車道熊本インターチェンジより国道57号、やまなみハイウェイ、国道442号経由で62㎞。

 

 

 

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次回は、第5回「湯布院温泉・城崎温泉」

 

 

(担当 G)

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