『中国経済 2023』
第7回
「貿易」
中国は、20年前にWTOに加盟し、ほかの加盟国に製品を輸出する際の関税率が引き下げられた効果などで輸出は大幅に増加し、2020年の輸出は日本円で290兆円余りと、2001年の9.7倍に上っています。
輸入も、2001年の8.4倍の230兆円余りにまで増え、輸出入を合わせた貿易額は世界トップになっています。
2022年1月には、中国が参加する初めての大型経済連携協定となるRCEP=地域的な包括的経済連携が発効するほか、2021年9月にはTPP=環太平洋パートナーシップ協定への加入も申請していて、中国は、アジア太平洋地域で貿易面の主導権を握ることに意欲を示しています。
WTO加盟をテコに貿易額を大きく伸ばした中国ですが、一方で、さまざまな問題点も指摘されています。
その1つが国内企業に対する補助金などの優遇措置で外国のメーカーとの競争を有利にしているという点です。
WTOは、2021年に行った中国の貿易政策などに対する審査で、補助金などの実態が不透明だと指摘しています。
さらに、このところアメリカとの対立を背景にサプライチェーン=供給網の国産化を進めていることが、外国製品の排除などにつながることへの懸念も出ています。2021年5月、政府から地方政府に非公式に出された内部通知では、医療機器や通信機器などの製品を購入する際には国産品を優先することを指示しています。外国メーカーが納入するには中国国内での生産が必要となる可能性があり、外国の経済団体などから事実上、技術移転を促すねらいがあるとも指摘されています。
これらの課題は、今後、TPPへの加入を目指す上でハードルになると見られています。
<輸出輸入総額(億ドル)>
2021年の貿易総額は前年比30.0%増の6兆515億ドルとなった。うち輸出は29.9%増の3兆3,640億ドル、輸入は30.1%増の2兆6,875億ドルで、貿易収支は6,764億ドルの黒字だった。
中国当局の分析では、2021年の貿易が好調だった要因として、中国が経済発展や新型コロナウイルスの予防抑制において世界をリードし、国内における生産や消費の需要が中間材や消費財の輸入増加をもたらしたこと、世界経済の回復が続き、世界の貿易量が伸びたこと、ノートパソコン、タブレット、家電などの「巣ごもり」関連製品や医薬品の輸出が2020年からさらに伸びたことなどが挙げられるとしている。
<貿易総額(百万ドル) 中国・米国・日本>
(UN)
中国(赤)は2014年ごろから米国(青)を追い越しました。
<貿易収支(億ドル)>
(中国国家統計局)(中国統計年鑑2022年度版)
2021年の貿易収支は前年から約3割増加の6,764億ドルの黒字で、過去最高を更新した。堅調な外需に支えられ、輸出が好調に推移。
<貿易入出超額(億ドル) 中国・米国・日本>
(UN)
米国(青)は、ずっと赤字に対し、中国(赤)は黒字が続いています。
<経常収支(百万ドル) 中国・米国・日本>
(IMF)
経常収支も常に黒字の中国(赤)と、常に赤字の米国(青)が対照的です。
2021年の国際収支は経常収支がドル換算で経常収支が3,173億ドルの黒字だった。
「日本経済指標と米国経済指標」 http://www1.odn.ne.jp/keizai/
「中国経済指標」 http://www1.odn.ne.jp/china/
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次回は第8回 「資源」
(担当E)
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