『中国経済 2022』
第4回
「IT・AI」
ITは工業・商業・金融・輸送交通・宇宙・軍事など、すべての分野で最重要なテクノロジーです。
中国のIT技術の成果については、枚挙のいとまがありません。
<電気自動車 EV>
中国の電気自動車(EV)市場は2010年代半ばから拡大基調に入りました。中国政府はEVを「新エネルギー車」と位置付け、多額の補助金を出して販売を後押ししました。中国汽車工業協会によると、2021年の新エネ車の販売台数は2020年比2.6倍の352万台と急増し、このうち8割超がEVです。
中国は電気自動車(EV)の輸出国として存在感を高めています。2021年の輸出台数は前年比約3倍の約50万台となり、ドイツや米国を上回り世界最大となりました。中国のEVは車載電池など産業の集積が進み、コスト競争力を高めた新興メーカーが欧州や東南アジアで販売を伸ばしています。世界生産でも6割を中国が占め、デジタル製品に続いてEVでも「世界の工場」になりつつあります。2021年の世界の電気自動車(EV)販売台数をメーカー別に集計したところ、上位20社・グループ中12社が中国勢となりました。
<量子暗号実験衛星「墨子」>
「墨子」は、量子通信を可能にする基礎技術の試験と開発のために打ち上げられたもので、米国ですら到達していない領域です。量子暗号は、現状のコンピューターでは解読ができず、従来の物理的盗聴は、どんな形であれ不可能とされています。2017年7月に地上・宇宙間の量子テレポーテーション、8月には量子鍵配送が成功し、9月に世界で初めて大陸間の量子暗号通信に成功しました。
2021年1月 「墨子号」と地上に設置された長さ2000kmの量子通信ケーブル(北京・済南・合肥・上海の4都市をつなぐ量子通信ネットワーク)の接続により、距離4600kmの衛星・地上間量子鍵配送実験に成功しました。
量子衛星「墨子」は、この2年間で衛星・地球間暗号の生成量を40倍に拡大しました。現在は1秒で約40万個の暗号を送ることができ、一部の応用機関の安全通信の需要を大まかに満たしています。衛星「墨子」には、主に2つの目標があります。一つは、超長距離衛星・地球間量子機密通信の実現。もう一つは、宇宙スケールでアインシュタインが指摘した「量子力学の不確実性」を検証することです。墨子号の性能・指標は予想を大幅に上回り、2年で完遂を予定していた科学試験任務を2~3ヶ月で終えました。
<第5世代型ステルス戦闘機「J-20」>
2017年 空軍に実戦配備され、2018年から実戦配備されたという。 2020年には量産体制に入る見込み
だと報じました。年間40機生産される可能性があるとも報じています。
また2020年に艦載機用のFC-31戦闘機の映像が公開されました。
<量子コンピューター「九章」>
2020年、光子76個のプロトタイプの量子コンピューター試作機「九章」の開発に成功。スーパーコン
ピューターの100兆倍の速さで解き、中国が量子コンピューターの優位性を示す「量子超越性」を世界で2
番目に達成した国となりました。
2021年、相次いで概念や技術の革新を行い「九章2号」(写真)の開発に成功しました。
光子113個、144モードによる量子コンピューター試作機「九章2号」の開発に成功したと発表しました。ガウシアンボソンサンプリングと呼ばれる量子計算を行う速度は、世界最速のスーパーコンピューターの10の24乗倍で、量子コンピューター開発で重要な一歩を踏み出したということです。
<電波望遠鏡「天眼」>
4450枚の三角形の反射パネルを組み合わせ、直径500mの世界最大の電波望遠鏡。
2016年9月に稼働開始。2020年1月に正式に稼働を始めました。
2020年12月現在、これまでに500個以上のパルサーを発見しました。
<中国宇宙ステーション>
三つのモジュールで設計されており、総質量は80トンに達すると予想されています。天和コアモジュールは2021年4月に打ち上げられ、その他各モジュールは2022年後半の打ち上げ開始が予定されています。
「2022年には有人宇宙ステーションプロジェクトの重要な打ち上げ任務を6回実施する。宇宙ステーションは軌道上での組み立てを完了させ、全面的に完成させる」と発表されました。
中国の宇宙貨物船「天舟3号」が2022年4月20日、旋回飛行と宇宙ステーション「天和」コアモジュールの前方ポートへの自動ドッキングを実施しました。
日米欧などの国際宇宙ステーションは老朽化しており、近く宇宙に拠点をもつ国は中国だけとなる恐れもあります。
<火星探査機「天問1号」>
2021年5月、火星に探査機「天問1号」を着陸させることに成功しました。さらに、探査車「祝融」で火星地表の画像を撮影させることも達成しました。着陸成功は旧ソ連と米国に続く3カ国目、探査車の活動は米国に続く2カ国目という難関を一気にクリアしました。
<第5世代移動通信システム(5G)>
2021年5月 中国に設置された5G基地局は、世界の約7割を占める81万9千ヶ所に達すると発表。同年7月で中国の5G利用者数は1億6000万人を超え、全世界の5G利用者数の9割を占めています。
2022年に新たに60万カ所以上整備する目標を明らかにしました。同年末の累計設置数は200万カ所に達すると見込んでいます。
次世代高速通信「6G」の規格を巡り、中国と米国・日本が特許で覇権争いをしています。中核技術の特許出願数では、中国が全体の40%とリードしていますが、35%の米国と10%弱の日本を合わせると拮抗しています。
6Gは自動運転や仮想現実(VR)など活用分野が広がります。
<ドローン>
2021年現在、世界の民生用ドローン市場で7割以上のシェアを獲得しているのは中国企業のDJIです。
中国のドローン市場は、急ピッチな成長が持続する見通しです。これから2023年にかけた市場規模は、年率平均60%超のピッチで拡大すると分析されています。
「日本経済指標と米国経済指標」 http://www1.odn.ne.jp/keizai/
「中国経済指標」 http://www1.odn.ne.jp/china/
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(担当E)
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