『北海道の地質的景観』 第26回 大沼公園 | 奈良の鹿たち

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『北海道の地質的景観』

第26回

<大沼公園>

 

 

大沼公園とは

5~3万年前の駒ケ岳の大噴火により、崩落泥流が裾野の河川をせき止め、古大沼というべき湖水を形成した。その後、何度かの噴火活動によって、古大沼は分断され、大沼、小沼、ジュン菜沼などの堰止湖が形成されました。

大沼の風光は、主として複雑な水陸の配置と、背景となる駒ヶ岳の雄姿とにありますが、湖上に散在する島々は低く、また白砂の浜もなければ岸壁もなく、凹凸の多 い沼沢地に水があふれて湖をなしました、

蓴菜沼や小沼の一部分に、数十年以上を経た樹木などがそのままの形で沈下している現象からすれば、後期において地盤の陥落という要因もありました。
このようにして生成した大沼は、西南から東北に延び、そのほぼ中央部でヒョウタンのようにくびれていて、東北部の大きい方を大沼、西南部の小さい方を小沼といい、中央部のくびれた部分がとくに景勝に富んでいます。

 

 

●大沼公園の成り立ち 

①駒ケ岳が噴火の際に噴出した噴出物が体積しできたもので、これは地質学で流山(ながれやま)と呼ばれます、この島の面白い特徴は駒ヶ岳側に面している方向が切り立っており反対側が緩やかな傾斜になっている所です、爆風を受けた面が切り立っているという事になります、地質学上大変おもしろい素材になり、どの方向からどれだけの力が加わったのかが研究できる貴重なものとなります、大沼近辺の農家の田んぼ畑の中にもこのような流山が存在しています。 

大沼・小沼の湖畔には葦が多く繁殖しております。葦は湖底に根を張り自分の生息域を広げて行きますが、広げている最中に台風や強い風・強い波等の影響で浮き上がって本体から切り離されてプカプカと浮遊する浮島ができます。大きなものだとなかなか頑丈に出来ており、それが浅瀬に引っかかりそこで根を湖底にがっちり張り島に成長して行くものも多くあります。 

大沼は入り込んでいる川がありますが、出て行っている川の水がほとんどありません。これは大沼・小沼の水利権を北海道電力が所有しており、電力の消費の激しい時に一気にくみ上げる為に水の多いときと少ないときの変化が1m以上発生します。少ないときに植物が発生し、多いときに水に埋まる、これを繰り返しているうちに浅瀬ができ島となります。 

大沼では大きな川が2本ほど流れ込んでいます 宿野辺川(シュクノベガワ)軍川(イクサガワ)その他小さな川・湧き水等から大沼・小沼に水が供給されています。川が運んでくる土砂により島ができます。砂州です。 

大沼・小沼は元々川であったものが駒ケ岳の噴火によりせき止められ作られた堰止湖となります。それゆえに湖畔の入り組んだ地形などが多く見られます、水が浸食する際に低い所は水没し高い所は島となって残ったものがあります。 

以上の5パターンが考えられます。 

 

 

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次回は 第27回「石狩川」

 

 

(担当 G)

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