『北海道の地質的景観』 第17回 摩周湖 | 奈良の鹿たち

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『北海道の地質的景観』

第17回 

<摩周湖>

 

 

 

1万年前まで取り囲むように連なる摩周湖の外輪山は、元は一つの大きな火山でした。富士山のような成層火山で、標高は2000m程度と考えられています。この火山は、その基部が海抜150m前後で半径8~10数kmの大きさでした。その山体斜面は湖の西-南側の川湯、美留和、弟子屈、虹別に今もその姿を見せています。上部は陥没したため、山体は途中で水平に切られたようにカルデラ壁で示されています。

約7千年前、大規模な噴火活動が収まると巨大なカルデラが姿を現しました。摩周カルデラの誕生です。日本国内では最も新しいカルデラで直径は7.5km。摩周カルデラは屈斜路湖やアトサヌプリ火山群を中央部に抱く、惰円形の屈斜路カルデラの東端壁に出来ました。つまりカルデラ(屈斜路)内のカルデラ(摩周)という二重カルデラ構造になっています。湖を屏風のように取り囲む安山岩質溶岩流の外輪山の崖は、カルデラの縁を表しています。

今からおよそ約4000~3500年前、湖の中央にデイサイト質の溶岩ドームカムイシュ島が誕生。水面下約210mで頭だけが水面に出ています。

ついで安山岩~デイサイト質の小成層火山であるカムイヌクリ(摩周岳)が噴火を始めました。カムイヌクリが最後の噴火を起こしたのは、約1千年前の平安時代の半ば。

その後、溶岩と火山灰の大地に植物が茂り、カルデラに水が満たされ、摩周湖が誕生したのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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次回は 第18回「三笠アンモナイト」

 

 

(担当 G)

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