『北海道の地質的景観』
第8回
<屈斜路湖>
初期の屈斜路湖は面積が現在の倍ほどあり、ほぼ円形の湖だったと考えられています。
約160万年から100万年前 に、先カルデラ火山を形成しました。その名残が屈斜路湖北側にある藻琴山です。約12万年前 最大級の噴火を生じ、その火山灰は札幌以西を除く北海道のほぼ全域を覆いました。
約4万年前~現在 「中島」「アトサヌプリ」「摩周火山」を生じる活動により溶岩円頂丘群が噴出して、カルデラ湖の南東部を失い空豆状の現在の形になりました。
日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖は、東西約26km、南北約20kmで、日本最大のカルデラである屈斜路カルデラの内側に約3万年前に形成されました。
屈斜路カルデラの外輪山に囲まれた地域では,円頂丘溶岩がつくる特異的な景観が見られます。和琴半島として知られているオヤコツ山円頂丘溶岩は,円頂丘溶岩の小島と湖岸が砂州で繋がった半島状の地形です。屈斜路湖中島も円頂丘溶岩です。湖の南東には,オプタテシュケ山円頂丘溶岩・丸山円頂丘溶岩・ヌプリオンド山円頂丘溶岩があります。
最も新しい時期に生じたのが,現在も噴気活動があるアトサヌプリ山(硫黄山)とそれに隣接する円頂丘溶岩です。
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次回は 第9回「旭川 神居古潭」
(担当 G)
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