『北海道の地質的景観』 第6回 根室 車石 | 奈良の鹿たち

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『北海道の地質的景観』 

第6回

<根室 車石>

 

 

 

花咲港の前の岬に「車石(くるまいし)」があり、その巨大さに圧倒されます。

中生代白亜紀末期(6800~6500万年前)に海底で噴出し冷やされたアルカリ粗粒玄武岩質の枕状溶岩で構成されています。海底一面にシート状に広がった溶岩流の一部がドーム状に盛り上がった場合には、放射状に割れ目ができています。これが「車石」と呼ばれ、その名の通り,同心円状~放射状の柱状節理(放射状節理)の形状をしています。英語では、車輪の形状にたとえて「ホイールストーンwheel stone」と呼び、直訳した名前が「車石」です。直径7.5mにも及ぶ形の見事さと大きさは世界的にも珍しく、国の天然記念物に指定されています。

花咲岬の海岸では、枕状溶岩にも放射状の柱状節理が発達しています。

 

海底の地下深くより千度以上もの温度を持ったマグマが上昇し、海水を含んだ泥(根室層)の附近で水平に方向を変え、溶岩となって泥の中へ浸入しました。そこで泥の中の海水は、この溶岩を冷やし枕状になりました。 このような溶岩を「枕状溶岩」といいます。

 

崖の下側には丸太を積み重ねたような構造の「枕状溶岩」と、その上側を覆うように上下方向に「柱状節理」がみられます。

 

 

 

 

 

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 次回は 第7回「十勝岳」

 

 

(担当 G)

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