『北海道の地質的景観』
第4回
<洞爺湖>
洞爺湖は,約11.2~11.5万年前 に大量の火砕流を噴出して形成された洞爺カルデラ内に出来た湖です。面積は日本で9番目、カルデラ湖としては屈斜路湖、支笏湖に次いで日本で3番目の大きさです。
この火砕流は遠く岩内海岸まで堆積していて,総量は150立方km以上で、岩質は輝石流紋岩です。
カルデラは直径約10km,湖面海抜84m,水深は最深179m・平均110m。中央に輝石角閃石安山岩からなる中島火山があり,中島火山の北側で水深が深くなっています。湖の中央に浮かぶ4つの島を総称して中島と呼んでいる。これは約5万年前の火山噴火に伴って形成された溶岩ドームと火砕丘の集まりであり、湖底を含めると11の火山体が確認されています。
2万年くらい前から洞爺湖の南岸で噴火が繰り返され有珠山が誕生しました。
洞爺湖周辺は新第三紀の変質安山岩,輝石安山岩が分布しているほか,湖の東海岸の壮瞥町滝之上付近には洞爺湖形成以前の噴出物である流紋岩質の壮瞥火砕流堆積物や安山岩質の滝ノ上火砕流堆積物が分布しています。
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次回は 第5回「襟裳岬」
(担当 G)
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