『生物の変遷と進化』第29回 霊長類の出現 | 奈良の鹿たち

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『生物の変遷と進化』第29回

<6600万年~2303万年前>

(新生代/古第三紀)

~霊長類の出現~ 

 

 

 

(霊長類 ショショニアス)

 

5回目の大量絶滅の後、哺乳類の多岐的発生が見られます。

全球凍結や大量絶滅など過酷な環境変化の後には「大適応放散」というものが起きて、生物が生き残るための適応性を増大させるといわれています。

新生代は短弓類の哺乳類の時代でした。 

 

(原猿類)

6,650万年前の5回目の大絶滅から生き残った小型哺乳類の一部が、人間や猿の祖先である原始霊長類の中の原猿類(キツネザル・ロリス)へと進化しました。

 

 

また、5,000万年前の霊長類ショショニアス は、目の位置が顔の正面に移り、立体感・距離感がつかみやすくなっていました。霊長類は、見た目はリスやネズミのような姿をしていましたが、他の哺乳類に比べて5本指の器用な手先と頭脳の明晰さを特徴としていました。

3600万年前には、人類の祖先である真猿類カトピテクスが現われました。彼らは眼球が揺れない眼の構造をもっており、視野の中心がはっきり見えるようになりました。

  

(鳥類)

地上適応を果たした鳥類として、5,600万年~4,000万年前にかけて、現在の北アメリカ、ヨーロッパ、アジアに生息していた巨大鳥類ガストルニス(ディアトリマ)がその代表です。

ガストルニス

ガストルニスは、いわゆる「飛べない鳥」でした。翼はもっているものの、その翼は飛ぶには小さすぎました。体高(身長)は2mに達し、頭部は大きく、クチバシは頑強に発達していました。首は長く後肢も長くそして、太くがっしりとしていました。

かつては恐鳥類と呼ばれていて恐怖さえ感じさせたガストルニスですが、歩くのは象並みで、骨は植物食性の哺乳類と似ていることがわかりました。つまり、植物を食べてからだをつくっていた草食類の可能性が高いのです。

絶滅の原因として、動きが鈍く、卵は森林の外の平地に生んでおり、猛獣哺乳類の餌食になったと考えられています。

また海洋では、6,000万~5,600万年前にかけて、巨大ペンギン クミマヌがいました。

体長170㎝、体重100㎏で、人間の大人と同じ大きさでした。

クミマヌ

絶滅の原因として、繁殖地をアザラシやアシカなどに奪われたか、それらの餌食になったと考えられています。

 

 

 

 

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次回は 第30回「古第三紀の大陸配置図」

 

 

(担当B)

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