『生物の変遷と進化』第14回
<4億1920万年~3億5890万年前>
(デボン紀)
「脊椎動物の上陸・両生類の出現」
(脊椎動物上陸)
デボン紀は「魚の時代」といわれています。 無脊椎動物から脊椎動物への繁栄交代をした魚類が生態系の頂点に立ちました。
●魚の時代
デボン紀は魚類が進化し「魚の時代」とも呼ばれていて、多種多様な海洋生物が存在していました。強力なアゴを持つようになった魚類が脊椎動物として生態系の頂点に立っていました。その代表が固い殻に覆われた板皮類ダンクルオステウス(下図)です。体長が5m~9mあり、アゴが発達しており強力な歯で獲物を噛み刻んでいました。
またデボン紀には「生きた化石」といわれるシーラカンス(下図)も登場しました。
シーラカンスは、魚類から陸上脊椎動物への進化を理解する上で欠かせない存在です。その化石は、脊椎動物の進化の重要な証拠を提供しています。
●両生類の上陸
デボン紀後期の大量絶滅は3億7400万年前であり、そのあと3億6000万年前になり、両生類が初めて陸上に適応した脊椎動物としてあらわれました。
初期両生類は、浅瀬〜陸上という変動しやすい環境に適応していたため、完全な海生生物よりも大量絶滅事変による環境変化に対応できたとみなされています。これは、空気呼吸や陸上移動能力を持っていたためと解釈されます。
デボン紀後期にシーラカンス(下図)や肺魚のような肉質の鰭(ひれ)を持つ魚類から、脊椎動物で初めて4本足を持つ生物である両生類があらわれました。
現生のシーラカンスは深海に生息していますが、デボン紀には、世界中の淡水域や浅い海に広く分布していたと考えられています。シーラカンスは、独特な鰭(ひれ)を持つことで知られています。この鰭は筋肉質で、内部に骨があり、後に四肢動物の四肢へと進化する鍵となりました。
胸鰭(むなびれ)と腹鰭(はらびれ)は筋肉質で内部に骨を持ち、四肢動物の四肢の原型とされています。
鱗(うろこ)は無機質の層で覆われ非常に硬く、外敵からの防御に寄与しています。
大型動物が水中から陸上生活に移るためには多くの進化が必要でした。オゾン層が厚くなりDNAを破壊する紫外線の量が減りました。
水中より空気中の方が酸素が多い。そのためエラで呼吸するよりも肺で呼吸する方が、大量の酸素を取り込むことができるのは明白です。エラ呼吸から初めは皮膚呼吸と肺呼吸の両方で行っていましたが、次第に肺呼吸だけで生存できるようになりました。
陸上で重力に耐える体は、外骨格だけでなく内骨格も発達して強化されました。体重を支える足は、胸鰭(むなびれ)と腹鰭(はらびれ)に筋肉が付いて四足に進化しました。出産時に羊膜の形成によって陸上で大型の胚が呼吸することが容易になったのみならず、陸上において水分の蒸散が抑えられ、また発生に必要な水分の貯蔵庫として水辺以外にも棲息範囲を広げることが容易になりました。
有羊膜類は両生類から石炭紀の後期、3億1200万年前に分岐しました。初期に竜弓類と単弓類の2系統に分化し、竜弓類の系統から爬虫類が単弓類の系統から哺乳類が生まれました。
魚類から両生類に
3億8500万年前、子孫が陸上に上がることになるヒレをもった脊椎動物のユーステノプテロン(下図)があらわれました。ユーステノプテロンはまだ水中生活をしていましたが、ヒレが骨と筋肉で強化されていて将来の四足動物の準備をしていました。
3億7500万年前に生息したティクターリク(下図)は、エラから足への進化が顕著になりました。
魚類と四肢動物の中間的な特徴を持ち、四肢の関節と自由に動く首が発達していました。
陸上を自由に歩くまではできなかったが、腕立て伏せのような体勢で水の外に体を引き上げることはできたらしい。
3億6500万年前にあらわれたアカントステガ(下図)は、明らかに4本の足を持ちながら尾ビレも残っており、依然、浅瀬での水中生活をしており足で水底をかきわけて移動していました。少しの時間なら陸上へ這い出すことができたと考えられます。
肺呼吸を獲得したユーステノプテロンの仲間で、ヒレを足に進化させた四足動物の両生類が、陸上へ進出しました。デボン紀後期の3億6700万~3億2500万年前に現れたイクチオステガ(下図)は、さらに進化していてしっかりとした足があり、脊椎の骨も複雑化・強化されていて陸上を進むことが出来るようになりました。鰓と肺の両方を持っていて、水中と陸上の両方で呼吸が可能でした。
両生類の誕生です。
ここから恐竜・哺乳類・ヒトが生まれていきます。
この出来事を「進化史上最大の出来事」とする研究者も少なくありません。
なぜ陸上生活に進んだのか?
水中の生態系が窮屈になった。 より強い魚に追い立てられた。食べ物を求めて。日光を求めて。卵の生存率を高めるため。目の前の違う世界にそそられて。など諸説あります。
私たちの祖先が上陸した理由は、たぶん一つではないのでしょう。いくつかの理由が複合的に作用した結果なのでしょうが、すでに水中にいる段階で肺が進化していたことは間違いないと考えられています。
アンモナイト(下図)(分類名:アンモナイト亜綱)の出現。
アンモナイトは、デボン紀中期(種類によってはシルル紀末期)から白亜紀末までのおよそ3億5000万年の間を、海洋に広く分布し繁栄した頭足類です。
アンモナイト亜綱は、オルドビス紀にオウムガイ亜綱の中から分化したものと考えられています。(近年では、殻の形が似ている現生オウムガイ類よりも、歯舌にある歯の数などで共通性を見出せるイカやタコの近縁とする説が有力になっています)
以来、彼らは大絶滅期をいくつも乗り越えて、実に長くの時代を繁栄していましたが、白亜紀末のK-Pg境界の大量絶滅で姿を消しました。
古生代と中生代の下位に当たる各年代を生きた種はそれぞれに示準化石とされており、地質学研究にとって極めて重要な生物群となっています。
●森林
デボン紀は、植物の隆盛を迎えた時代でもありました。
植物は、オルドビス紀以降蘚類や苔類および地衣類にも似た形態だった植物は、種と維管束系(水の輸送・貯蔵を担う器官)を発達させ、まだ草食動物との競争がなかったことから、陸地を覆い森林(下図)としての生態系を実現させました。巨木化したシダ類植物や高さ40mのリンボク(下図)などが出現し、種子をもつ原始的な裸子植物(下図)もあらわれました。
====================
次回は 第15回「2回目の大量絶滅」
====================
(担当B )
















