『生物の変遷と進化』第13回
<4億4380万年~4億1920万年前>
(シルル紀)
「節足動物の上陸」
(ウミサソリ)
まだまだ三葉虫,ウミサソリ,オウムガイ,アンモナイトなどの無脊椎動物 の天下でした。
ウミサソリは2mをこす体長で大きなハサミと毒針のある尾を持っていて、当時の生態系の頂点に君臨していました。有顎(あごのある)魚類のグループ(サメ)も出現しました。
シルル紀には、水深150~200mの深い海にも、多様な生物が繁栄していました。カブトガニの仲間らしいオファコルスや甲殻類のキネロカリス、現在のウミホタルの仲間のコリンボサトシなどが生存していました。
陸上には苔だけでなくシダ植物も繁栄を始めました。シダ類の仲間のクックソニアは、小型で葉がなく、茎で光合成をしていました。そのため、陸上に進出しても繁殖しやすかった。
オゾン層の拡大で、動物にとって有害な紫外線が減り、植物に続いておよそ4億年前に無脊椎動物の節足動物多足類のヤスデ類 (サソリ・クモ・ムカデの祖先)の上陸がはじまりました。
オーストラリアのカルバリーで陸上に這い出したと思われる大型ウミサソリの足跡が発見されています。
2023年5月に、中国で4億2千年前の淡水産節足動物の化石が発見されたという発表がありました。
節足動物は体の構造上、陸上生活に有利であったとされています。体の表面は、クチクラと呼ばれるキチン質とタンパク質でできた硬い殻でおおわれており、乾燥を防ぎ、しっかりと体を支えて動くことができました。
近年、節足動物の上陸はカンブリア紀末に始まっていたという説もあります。
となると、陸上への進出は、節足動物方が植物よりも早かった可能性も出てきます。
カンブリア紀に現れたアロマノカリスや三葉虫などは、節足動物の祖先に入るともいわれています。
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(担当B)
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