『生物の変遷と進化』第7回 多細胞生物の出現 | 奈良の鹿たち

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『生物の変遷と進化』第7回

<6億~5億年前>

(原生代後期)

「多細胞生物の出現」

 

(多細胞生物)

 

 

単細胞生物 から多細胞生物 に進化することによって、細胞に役割分担が出来て、原口 を獲得しました。それにより”捕食”が可能になり、高度な機能を持つようになりました。 同じ頃から有性生殖(雄雌)によって増殖する生物が増えてきました。“”の誕生です。

これらの現象は、生物の中でも動物としての機能変化であり、「多細胞生物」というより「多細胞動物」と呼んでもいいのかもしれません。

 

カイメン

カイメンは、分類上は多細胞動物であるが、細胞間の結合がゆるく、はっきりとした器官等の分化はありません。このため、器官系が分化したその他の動物である真正後生動物(しんせいこうせいどうぶつ)とは区別されています。

多細胞動物としては非常に組織器官が単純であり、その進化のごく初期に分化した原始的なものです。化石のカイメンは古生代カンブリア紀から知られていて、エディアカラ生物群と比べて、海の底生生物としては非常に成功している動物群でもあるのです。

 

この多細胞生物出現の前には、2回目の地球全球凍結(スノーボールアース)があり、そのことが生物の進化を促したのではないかといわれています。全球凍結や大量絶滅など過酷な環境変化の後には「大適応放散」というものが起きて、生物が生き残るための適応性を増大させるといわれています。

また6億年前ぐらいから、2回目の酸素濃度の急上昇が起こっていて、この事が多細胞生物の出現を促したとも考えられています。

 

(地球上のリンPの濃度が増大)

最近の研究では、リンPの存在が生命のカギを握っているという内容が取り上げられています。

リンPは、DNAの大事な要素であり、人間の骨の70%はリン酸カルシウムの一種で出来ています。リンPは、どのようにして生まれ、どのようにして地球に存在するようになったのか?

リンPは元々は、恒星内部の核融合によってつくられ、超新星爆発で宇宙にバラまかれます。

近年の研究で、地球には宇宙の塵や隕石によって運ばれたと考えられています。そして、8~7.5億年前に、地球のリンPの濃度が増大したことが分かりました。それは、8億年前に小惑星帯(火星と木星の間の小惑星の集まり地帯)で直径100kmの惑星が衝突し、地球や月に隕石シャワーが浴びせられたという研究結果が報告されました。この時、大量のリンPが地球にもたらされ、地球の栄養素が増え複雑な生命体(多細胞生物)が生まれる原因になったといわれています。

 

 

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次回は 第8回「エディアカラ生物群」

 

 

(担当B)

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