『生物の変遷と進化』第6回
<30億年~25億年前>
(始生代 後期)
「真核生物の出現」
(真核生物)
「細胞核」とは細胞の遺伝子情報を保存し伝達する役割を持っていて、膜で遺伝物質であるDNAを包んでいるものです。
原核細胞から真核細胞に、どのように進化したかは現在のところ謎です。(その中間的なものが見つかっていない)
原核生物の細胞もDNAを持っているが、核のようにDNAの周りを隔てる仕切りはありません。
細胞内共生説(巨大原核細胞にDNAが付着して膜を作った)やウィルスが細胞内で自己増殖のために核を作ったという説があります。
真核生物 の細胞は一般的に原核生物の1000倍以上の体積の細胞をもっていました。
細胞の構造は、細胞核は二重の細胞膜で覆われており、核液とDNAを含んでいました。
コイル状の管からできている環形動物グリパニア は、大型の化石としては最古の真核生物だと考えられています。
細胞分裂の際には、まず核分裂が行われました。 ほとんどの真核生物では有性生殖が行われました。 減数分裂後、染色体の半数体を2つ合わせて核の合成を行いました。
ミトコンドリア
私たちの細胞は、核膜で包まれた核をもつ真核細胞とよばれる細胞ですが、ずっと昔に、真核細胞の祖先の細胞に飲み込まれた細菌が、真核細胞と一緒に仲良く助け合って暮らしてきた(共生)ものが、ミトコンドリアと考えられています。このため、ミトコンドリアは、独自のDNA(ミトコンドリアDNA、mtDNA)をもっています。
ミトコンドリアの最も大切なはたらきは、エネルギーを産生することですが、それは、摂取した栄養素を分解して得られた小分子を用いてアデノシン三リン酸(ATP)をつくることによって行なわれます。ATPを分解するとエネルギーが放出するので、ATPはエネルギーに交換できるお金のような物質です。
オゾン層
23億年前から地球の酸素濃度が急激に上昇しました。
そして、18億年前に酸素濃度の増加からオゾン層が出来始めました。それによって、有害な紫外線の減少で生物の生存環境が整ったといえます。
酸素の増加、オゾン層の成立によって、生物の進化が大幅に促進されました。
地球全球凍結
真核生物出現の直前には、1回目の地球全球凍結(スノーボールアース)があり、そのことが生物の進化を促したのではないかといわれています。全球凍結や大量絶滅など過酷な環境変化の後には「大適応放散」というものが起きて、生物が生き残るための適応性を増大させるといわれています。
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次回は 第7回「多細胞生物の出現」
(担当B)
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